敗血症は、感染に対する生体の反応が調節不能に陥り、生命を脅かす「臓器障害」が引き起こされた状態である。速やかな認知と、発症1時間以内の抗菌薬・初期輸液開始(1時間バンドル)が予後を左右する救急疾患である。
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感染源に応じた症状(咳、腹痛、排尿痛など)。
全身症状:高熱(または低体温)、悪寒・戦慄、意識障害、頻呼吸、頻脈、尿量減少、皮膚のチアノーゼ(網状皮斑)。
スクリーニング:『qSOFA』のチェック。
臓器障害の評価:『SOFAスコア』が感染症により2点以上上昇。血液ガスでの乳酸値上昇、血小板減少、ビリルビン上昇、Cr上昇、PaO2/FiO2比の低下。
感染源の特定:血液培養(2セット必須)、尿培養、痰培養、画像検査(CT等)。
『1時間バンドル(Surviving Sepsis Campaign Guidelines)』:
血清乳酸値を測定する。
抗菌薬投与前に『血液培養』を採取する。
広域抗菌薬を開始する。
低血圧または乳酸値≧4mmol/Lに対し、細胞外液を『30mL/kg』急速投与する。
輸液に反応しない低血圧に対し、平均血圧≧65mmHg維持のため『昇圧薬(ノルアドレナリン)』を使用する。
ソースコントロール:膿瘍があればドレナージ、壊死組織があればデブリドマンを行い、感染の「元」を絶つ。
病態
局所の感染(肺炎、尿路感染、腹膜炎など)に対し、全身の免疫・炎症反応が暴走し、自分自身の臓器を傷つけ始める。微小循環障害や血管透過性亢進により、低血圧(ショック)や多臓器不全をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
現在の診断基準(Sepsis-3)では、非ICUでのスクリーニングに『qSOFA』、ICU内や確定診断に『SOFAスコア』を用いる。
『qSOFA』の3項目:①呼吸数≧22回/分、②意識状態の変容(GCS<15)、③収縮期血圧≦100mmHg。このうち『2項目以上』あれば敗血症を強く疑う。
また、十分な輸液を行っても低血圧が続き、乳酸値≧2mmol/Lのものを『敗血症性ショック』と呼び、死亡率は40%を超える極めて危険な状態である。
覚え方・コツ
「敗血症は『感染症が原因の臓器ボロボロ状態』!菌が血液にいるかどうかは関係なく、体が過剰反応してパンクしているのが本態。まず『呼吸が速い・意識が悪い・血圧が低い(qSOFA)』を見たら、迷わず救急車・ICUへ!『1時間以内』に血液培養を2セット取って、強力な抗菌薬と点滴を始めるスピード勝負だ!」
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MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。