最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする胆石症は、胆汁の成分が結晶化して胆嚢や胆管内に結石(胆石)を形成し、通過障害や炎症を引き起こす疾患である。脂っこい食事の後に起こる激しい右季肋部痛や悪心・嘔吐を主症状とする。無症状のまま経過することも多いが、重症化すると急性胆管炎などの致死的な病態を招くため、CBT・国家試験ともに頻出の重要疾患である。
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胆石症は、胆汁の成分が結晶化して胆嚢や胆管内に結石(胆石)を形成し、通過障害や炎症を引き起こす疾患である。脂っこい食事の後に起こる激しい右季肋部痛や悪心・嘔吐を主症状とする。無症状のまま経過することも多いが、重症化すると急性胆管炎などの致死的な病態を招くため、CBT・国家試験ともに頻出の重要疾患である。
右季肋部痛(食後、とくに脂肪食後に増悪する)
悪心・嘔吐
右肩・背部への放散痛
無症状(サイレントストーンとして健診で偶然発見される)
黄疸・発熱(胆管に石が詰まり胆管炎を併発した場合)
初期評価
腹部の視診・触診を行い、右季肋部の圧痛の有無を確認する。また、右季肋部を圧迫しながら深呼吸させ、痛みで呼吸が止まるか(Murphy徴候)を評価し、胆嚢炎の合併を疑う。
検査
腹部超音波検査が第一選択である。音響陰影を伴う高エコー像と体位変換による結石の移動を確認する。総胆管結石を疑う場合はMRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)やDIC-CTが非常に有用である。
鑑別
胃・十二指腸潰瘍、急性膵炎、尿管結石、急性心筋梗塞(下壁梗塞)などの心窩部〜右季肋部痛を来す疾患と鑑別する。
初期対応
痛みが強い場合は絶飲食・輸液とし、鎮痛薬(NSAIDsや鎮痙薬)を投与して疼痛コントロールを行う。胆道感染を疑う場合はただちに血液培養を採取し、抗菌薬の投与を開始する。
根本治療
有症状の胆嚢結石に対しては、腹腔鏡下胆嚢摘出術が第一選択となる。総胆管結石の場合は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)による内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)などを併用した採石術を行う。無症状の胆嚢結石は原則として経過観察とする。
病態
胆汁中のコレステロールやビリルビンが過飽和状態となり、胆嚢や胆管の中で結晶化して結石(胆石)を形成する。
原因
脂質異常症、肥満、加齢、女性ホルモンなどが結石形成のリスクとなる。とくにコレステロール結石は中高年の肥満女性に多い。
分類
結石の主成分により、コレステロール結石(最も多い)、黒色石(溶血性貧血や肝硬変に合併)、ビリルビンカルシウム石(胆道感染に合併)に大別される。
試験での重要ポイント
「脂肪の多い食事のあとの右季肋部痛」があればこの疾患を疑う。超音波検査における「アコースティック・シャドー(音響陰影)を伴う高エコー像」と「体位変換による結石の移動」は頻出である。急性胆嚢炎(Murphy徴候陽性)や急性胆管炎への移行を見逃さないことが最重要。鑑別でよく出るのは「胃・十二指腸潰瘍」や「尿管結石」である。
覚え方・コツ
「コレステロール結石の5F(Forty, Female, Fat, Fair, Fecund)」と「エコーで音響陰影(結石の後ろが影になる)」で覚える。
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原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝内の小型胆管が自己免疫学的機序により破壊され、慢性的な胆汁うっ滞を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、皮膚掻痒感や無症候性の肝機能異常で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な自己抗体(抗ミトコンドリア抗体)や合併症、第一選択薬が毎年問われる超頻出疾患である。
潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸の粘膜に慢性の炎症と潰瘍を生じる原因不明の指定難病である。若年者に好発し、粘血便、下痢、腹痛を伴う再燃と寛解を繰り返す。CBTや医師国家試験では、クローン病(CD)との鑑別、特徴的な内視鏡所見や注腸造影所見、重大な合併症(中毒性巨大結腸症や大腸癌)が毎年問われる超頻出疾患である。
自己免疫性肝炎(AIH)は、肝細胞に対する自己免疫応答により慢性的な肝炎を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、放置すると肝硬変や肝不全に進行する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、高IgG血症や抗核抗体陽性、ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。