痙攣性イレウスは、機能性腸閉塞の一種であり、腸管の局所が過度に痙攣・収縮(縮瞳)し続けることで、内容物の通過が妨げられる稀な病態である。鉛中毒や腹部への鈍的打撲などを原因とする。
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間欠的な激しい腹痛(疝痛)。
悪心、嘔吐。
排便・排ガスの停止(一過性であることが多い)。
除外診断:機械的腸閉塞(腫瘍や癒着)の除外。
問診:鉛を扱う職業歴の聴取、外傷歴の確認。
画像診断:X線等で限局性の痙攣性収縮や口側腸管の拡張を認めることがあるが、所見が乏しいことも多い。
保存的治療:絶食、輸液。
原因治療:鉛中毒に対するキレート療法(EDTAなど)。
薬物療法:鎮痙薬(抗コリン薬など)を用いて、過剰な痙攣を解く。
病態
何らかの刺激により腸管の輪状筋が限局性に強く収縮し、弛緩できなくなることで通過障害を起こす。
試験での重要ポイント
極めて稀な疾患であり、臨床現場で遭遇することは少ないが、国家試験等では「機能性腸閉塞の分類(麻痺性と痙攣性)」として、原因疾患とセットで問われることがある。
原因の代表格として『鉛中毒』、『腹部鈍的痛(外傷)』、『ヒステリーなどの心因性』が挙げられる。鉛中毒による腹部の激しい疝痛は「鉛疝痛」とも呼ばれる。
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閉鎖孔ヘルニアは、骨盤の閉鎖孔(閉鎖神経の通り道)から腸管が脱出する外疝痛の一種。高齢・痩せ型の女性に好発し、初期には閉鎖神経の圧迫による膝内側までの痛み(Howship-Romberg徴候)を呈し、嵌頓すると絞扼性イレウスを引き起こす。
Boerhaave(ブールハーフェ)症候群は、激しい嘔吐などの急激な食道内圧上昇により、健康な食道の全層が破裂する緊急疾患である。強烈な胸痛と背部痛をきたし、縦隔炎から敗血症へ進行するため、24時間以内の緊急手術が救命の鍵となる。
複雑性腸閉塞は、物理的な腸管の閉塞に加えて「腸間膜の血管が締め付けられ、血流障害を伴う」極めて危険な状態である。数時間で腸管が壊死・穿孔し、敗血症性ショックに至るため、一刻も早い緊急手術の絶対適応となる。
麻痺性イレウスは、腸管そのものに物理的な閉塞物はないが、自律神経の反射や電解質異常などにより腸管全体の蠕動運動が消失し、内容物が停滞する状態である。開腹手術の術後や腹膜炎の合併症として頻繁にみられる。