最終更新日: 2026年4月26日
Rotor症候群は、肝細胞から毛細胆管へのビリルビン排泄機能が先天的に障害されることで生じる体質性黄疸である。直接ビリルビン優位の黄疸を呈するが、肝臓への黒色色素沈着はなく、予後は良好で治療を必要としない。
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軽度の黄疸(疲労や風邪などで変動する)。
その他は無症状(肝機能障害の症状はない)。
血液検査:『直接ビリルビン優位』の高ビリルビン血症。AST、ALT、ALP、γ-GTPはすべて正常。
ICG排泄試験:15分停滞率(R15)は高値を示すが、45分値での『再上昇(-)』。
尿中コプロポルフィリン:総排泄量が著増する。
腹腔鏡・肝生検:肉眼的に肝臓は正常色。組織学的に色素沈着(-)。
治療は不要(予後良好)。
患者に対して、病気ではなく体質であり、将来的に肝硬変等に進行することはない旨を説明する。
病態
OATP1B1およびOATP1B3という輸送タンパクの遺伝子変異により、直接(抱合型)ビリルビンの肝細胞への再取り込みが障害され、血液中に逆流して黄疸となる。
試験・臨床での重要ポイント
同じ「直接ビリルビン優位」の体質性黄疸である『Dubin-Johnson(デュビン・ジョンソン)症候群』との鑑別が超頻出。
①肝臓の色:Rotorは『正常色(黒くならない)』。Dubin-Johnsonは「黒色(真っ黒)」。
②ICG試験:Rotorは15分値は高値だが『45分値での再上昇はない』。Dubin-Johnsonは「45分値で再上昇(2次上昇)」する。
③尿中コプロポルフィリン:Rotorは『総排泄量が著増』。Dubin-Johnsonは「排泄量は正常だが異性体I型優位」になる。
覚え方・コツ
「Rotor症候群は『直接ビリルビンが高いけど肝臓は黒くない体質』!同じ体質性黄疸のDubin-Johnsonの弟分みたいな存在。見分け方は『肝臓が黒くならない』ことと、ICGテストで『再上昇しない』こと!ガンや肝炎じゃない完全な良性体質だから、治療しなくていいよと患者さんを安心させるのが医者の仕事!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。