最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸の粘膜に慢性の炎症と潰瘍を生じる原因不明の指定難病である。若年者に好発し、粘血便、下痢、腹痛を伴う再燃と寛解を繰り返す。CBTや医師国家試験では、クローン病(CD)との鑑別、特徴的な内視鏡所見や注腸造影所見、重大な合併症(中毒性巨大結腸症や大腸癌)が毎年問われる超頻出疾患である。
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粘血便・血便(最も特徴的かつ必発の症状)
慢性的な下痢
渋り腹(テネスムス:便意があるのに出ない、排便後も残便感がある)
腹痛(下腹部痛が多い)
発熱、体重減少、貧血(重症例)
腸管外合併症(結節性紅斑、壊疽性膿皮症、虹彩炎、関節炎など)
初期評価
若年者の長引く下痢と粘血便から疑う。まず、感染性腸炎(カンピロバクター、サルモネラ、O157、アメーバ赤痢など)を除外するための便培養・便検査が必須である。
検査
下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)で、直腸から連続する粘膜の浮腫、発赤、血管透見像の消失、粗造な粘膜(びらん・潰瘍)、偽ポリポーシスを確認する。注腸X線造影ではハウストラの消失(鉛管像)がみられる。生検組織診で、好中球浸潤による陰窩膿瘍(crypt abscess)や、杯細胞の減少を確認する。
鑑別
クローン病(CD:非連続性・跳躍性病変、縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性肉芽腫、全層性炎症)、感染性腸炎、虚血性腸炎、薬剤性腸炎と鑑別する。
初期対応・内科的治療
活動期の第一選択は、5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤(メサラジン、サラゾスルファピリジン)の内服・注腸・坐剤である。中等症〜重症例や難治例には、副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の全身投与、免疫調節薬(アザチオプリン)、血球成分除去療法(CAP)、生物学的製剤(抗TNF-α抗体:インフリキシマブなど)、JAK阻害薬などを使用する。
外科的治療
中毒性巨大結腸症(ステロイド・下痢止め等は禁忌・無効なことが多い)、穿孔、大量出血、癌化、あるいは内科的治療が無効な重症例では、外科的「大腸全摘術」の適応となる(UCは病変が大腸に限局するため、全摘により根治が可能である点がCDと異なる)。
病態
大腸の粘膜および粘膜下層(浅い層)を侵す、びまん性・連続性の非特異性炎症性腸疾患(IBD)である。免疫異常や腸内細菌叢の乱れなどが関与しているとされる。
原因
原因不明(遺伝的素因、自己免疫、食生活などの環境因子が複合的に関与)。
分類
病変の広がりにより、直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型に分類される。
試験での重要ポイント
「直腸から連続性に広がる粘血便」があればこの疾患を強く疑う。病変は「粘膜・粘膜下層」にとどまり、全層性ではない。内視鏡での「血管透見像の消失」「偽ポリポーシス」「陰窩膿瘍(crypt abscess)」「杯細胞の減少」、注腸造影での「ハウストラの消失(鉛管像:lead pipe appearance)」は超頻出キーワード。合併症としての「中毒性巨大結腸症(緊急手術適応)」「大腸癌(長期罹患でリスク増)」「原発性硬化性胆管炎(PSC)」も重要である。最大のテーマはクローン病(CD)との鑑別(非連続性、全層性、肉芽腫、小腸病変、痔瘻などの有無)である。
覚え方・コツ
「UCは、下から(直腸から)ベタっと(連続性)浅く(粘膜層)広がる血便。鉛管像と偽ポリープで、最後は癌化や巨大結腸に注意」と覚える。
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原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝内の小型胆管が自己免疫学的機序により破壊され、慢性的な胆汁うっ滞を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、皮膚掻痒感や無症候性の肝機能異常で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な自己抗体(抗ミトコンドリア抗体)や合併症、第一選択薬が毎年問われる超頻出疾患である。
胆石症は、胆汁の成分が結晶化して胆嚢や胆管内に結石(胆石)を形成し、通過障害や炎症を引き起こす疾患である。脂っこい食事の後に起こる激しい右季肋部痛や悪心・嘔吐を主症状とする。無症状のまま経過することも多いが、重症化すると急性胆管炎などの致死的な病態を招くため、CBT・国家試験ともに頻出の重要疾患である。
自己免疫性肝炎(AIH)は、肝細胞に対する自己免疫応答により慢性的な肝炎を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、放置すると肝硬変や肝不全に進行する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、高IgG血症や抗核抗体陽性、ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。