膵癌は、膵管上皮から発生する悪性腫瘍であり、早期発見が極めて困難で予後不良な疾患の代表である。喫煙や糖尿病、慢性膵炎がリスク因子となり、黄疸や背部痛、急激な糖尿病の悪化を契機に発見されることが多い。
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初期:無症状。
進行期:上腹部痛、腰背部痛、食欲不振、体重減少。
膵頭部癌:閉塞性黄疸(皮膚の痒み、濃染尿、灰白色便)、Courvoisier徴候(無痛性に腫大した胆嚢を触知)。
その他:糖尿病の新規発症・急激な悪化、急性膵炎の発症。
血液検査:腫瘍マーカー(CA19-9, CEA, DUPAN-2, SPAN-1)の上昇、アミラーゼ・リパーゼの上昇(膵管閉塞による)。
画像診断:腹部エコー(膵管拡張)、造影CT(低吸収域の腫瘤、周囲血管浸潤の評価)、MRI/MRCP(膵管断裂・拡張)。
確定診断:超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)による組織診、または内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)下の膵液細胞診。
外科的治療(切除可能例):膵頭部癌には『膵頭十二指腸切除術(PD)』、膵体尾部癌には『膵体尾部切除術(DP)』を行う。術前・術後化学療法を併用することが標準。
化学療法(切除不能・再発例):FOLFIRINOX療法、ゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法などが選択される。
緩和ケア:閉塞性黄疸に対する胆道ドレナージ(ステント留置)、癌性疼痛に対する腹腔神経叢ブロックや鎮痛薬投与。
病態
約90%以上が外分泌系の膵管細胞から発生する「浸潤性膵管癌」である。周囲組織への浸潤やリンパ節転移、遠隔転移(特に肝転移)を起こしやすい。
試験・臨床での重要ポイント
「高齢者の急激な糖尿病発症・悪化」を見たら膵癌を疑うのが鉄則。膵頭部癌では総胆管を圧迫するため『閉塞性黄疸(無痛性黄疸)』や、胆嚢が腫大して触知される『Courvoisier(クールボアジェ)徴候』が特徴的。腫瘍マーカーは『CA19-9』『CEA』『SPAN-1』が頻出。
画像では、腹部エコーやCTで『膵管の拡張』や『膵実質の萎縮』を認める。ERCPやMRCPでの『中段断裂』や『ダブルダクトサイン(主膵管と総胆管の両方が拡張)』は絶対暗記の画像キーワード。
覚え方・コツ
「膵癌は『見つかった時は手遅れが多い』最凶のガン!お腹よりも『背中』が痛くなったり、急に血糖値が上がったりしたら要注意。膵頭部癌なら『黄疸』が出るから見つかりやすいけど、膵尾部癌は無症状で進む。CTで『膵管が拡張』していたら、その先に犯人(癌)がいる証拠!治療は手術が第一だけど、抗がん剤(ゲムシタビン、フォルフィリノックスなど)もフル活用する。」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。