腹水は、腹腔内に異常に体液(水分)が貯留した状態である。肝硬変による門脈圧亢進症と低アルブミン血症が最も多い原因であり、腹水穿刺による性状検査で漏出性と滲出性に鑑別することが診断の第一歩となる。
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腹部膨満感、体重増加、臍の突出。
横隔膜が挙上することによる呼吸困難、食欲不振。
波動(片方の側腹部を軽く叩くと、反対側に水の波が伝わるサイン)。
移動性濁音(体位変換で、水が下へ移動するため打診の濁音が移動する)。
身体所見:移動性濁音の確認、腹部の膨隆。
画像診断:腹部エコー・CTで腹水の存在と量の確認。肝硬変や腫瘍などの原疾患の検索。
腹水穿刺(診断的穿刺):外観、細胞数、蛋白・LDH、アルブミン(SAAGの計算)、細胞診(悪性細胞)、細菌培養・ADA(結核の指標)を検査する。
原因疾患の治療(心不全なら強心薬や利尿薬など)。
肝硬変の腹水管理:
①塩分制限(5〜6g/日未満)。
②利尿薬:アルドステロン拮抗薬(スピロノラクトン)やループ利尿薬(フロセミド)。近年はV2受容体拮抗薬(トルバプタン)が有効。
③難治性腹水:大量腹水穿刺排液(アルブミン補充併用)や、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、TIPS(経頸静脈的肝内門脈静脈短絡術)を行う。
病態
血漿膠質浸透圧の低下(アルブミン減少)や、門脈圧・静脈圧の亢進によって血管内から腹腔内へ水が漏れ出すことで生じる。
試験・臨床での重要ポイント
腹水穿刺による性状検査が必須。『漏出性(サラサラ)』は心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群が原因。『滲出性(ドロドロ)』は癌性腹膜炎や結核性腹膜炎などの炎症・腫瘍が原因。
最近の国試では『SAAG(血清-腹水アルブミン濃度差)』が超頻出。血清アルブミン値から腹水アルブミン値を引いた差が『1.1g/dL以上(漏出性)』なら門脈圧亢進症(肝硬変など)や心不全、『1.1g/dL未満(滲出性)』なら癌や結核と判断する。
覚え方・コツ
「腹水は『お腹の袋に溜まった水』!カエルみたいにお腹がパンパンになる。原因探しの必殺技は『SAAG(血清アルブミン引く腹水アルブミン)』!1.1以上と差が大きければ『肝臓か心臓のせい(漏出性)』、差が小さければ『ガンかバイキンのせい(滲出性)』だ!肝硬変の腹水は、塩分制限と利尿薬(スピロノラクトン)で水を抜け!」
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内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。