偽痛風(CPPD)は、ピロリン酸カルシウム(CPP)結晶が関節軟骨や半月板に沈着し、それが剥がれ落ちて急性の関節炎を引き起こす疾患である。高齢者の大関節(特に膝関節)に好発し、X線での「軟骨の線状石灰化」と、関節液の偏光顕微鏡検査での「長方形の結晶(正の複屈折)」が特徴である。
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突然発症する激しい関節痛、関節の腫脹、発赤、熱感(急性関節炎)。
好発部位:膝関節(半数以上を占める)、手関節、足関節、肩関節などの大関節。
全身症状:発熱を伴うことが多く、化膿性関節炎(細菌感染)との鑑別が臨床上極めて重要となる。
初期評価:高齢者の突然の膝の痛み・腫れから疑う。
画像診断:単純X線で、膝関節半月板や手関節三角線維軟骨複合体(TFCC)などに『線状・斑点状の石灰化』を認める。
関節液検査(確定診断):関節穿刺で白濁した関節液を採取し、偏光顕微鏡で『長方形〜菱形のCPP結晶』と『弱い正の複屈折』を証明する。※必ずグラム染色や培養を行い、化膿性関節炎を除外する。
血液検査:白血球増多、CRP上昇。尿酸値は通常正常。
治療方針
沈着したピロリン酸カルシウム結晶を溶解・除去する根本的な治療法はなく、急性期の炎症を抑える対症療法が基本となる。
急性期治療:
①『関節穿刺およびステロイド関節内注入』:関節液を抜いて内圧を下げるだけで除痛効果があり、さらにステロイドを注入すると劇的に改善する。
②『NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)』の内服。局所の安静(冷罨法)。
③発作の予兆期などに『コルヒチン』を使用することもある。
病態
関節軟骨や半月板などの組織にピロリン酸カルシウム結晶が沈着(石灰化)し、何らかの契機で関節腔内に遊離した結晶を好中球が貪食することで、痛風と同様の激しい急性炎症(サイトカイン放出)をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
痛風との鑑別が超頻出。
①『好発部位』:痛風は「中年の男性・足の親指(第1MTP関節)」だが、偽痛風は「高齢者(男女差なし〜やや女性多)・『膝関節』などの大関節」である。
②『X線所見』:痛風は「骨の打ち抜き像(初期は異常なし)」だが、偽痛風は『関節軟骨(膝半月板など)の線状石灰化』がみられる。
③『関節液(結晶)所見』:痛風は「尿酸結晶・針状・負の複屈折」だが、偽痛風は『ピロリン酸カルシウム結晶・長方形(または菱形)・正の複屈折』である。
覚え方・コツ
「偽痛風は『お年寄りの膝の激痛』!痛風の偽物だけど、原因は尿酸じゃなくてピロリン酸カルシウム。痛風と違って『膝』が腫れて熱が出る。レントゲンで膝のクッション(半月板)に白い線(石灰化)が見えるのがサイン。顕微鏡で見ると『四角い(長方形)』結晶!特効薬はないから、水を抜いてステロイドを打つか、痛み止め(NSAIDs)でやり過ごす!」
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