RS3PE症候群は、高齢者に急激に発症する、手背や足背の著明な圧痕性浮腫(pitting edema)を伴う多発関節炎である。リウマトイド因子(RF)は陰性で、少量のステロイドが劇的に効くのが特徴。悪性腫瘍の合併に注意が必要である。
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手背・足背の著明な圧痕性浮腫(ボクシンググローブ様)
両側対称性の多発関節炎・滑膜炎・腱鞘炎(手関節、手指関節など)
急激な発症
悪性腫瘍(胃癌、前立腺癌、大腸癌、悪性リンパ腫など)の合併
初期評価
高齢者の急激な手背・足背の浮腫と関節痛から疑う。
検査
血液検査でCRP・ESRの著明な上昇を確認するが、『リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体は陰性』である。X線検査で骨関節の破壊(骨びらん)を認めない。悪性腫瘍スクリーニング(胃カメラ、便潜血、CT、腫瘍マーカーなど)を必ず行う。
治療方針
『少量の副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン10〜15mg/日程度)』の内服が著効し、数日〜数週間で浮腫と関節炎は完全に消失する。その後ステロイドは漸減・中止可能である(予後良好)。悪性腫瘍が発見された場合は、その治療を優先する(腫瘍の切除によりRS3PE症状も軽快することがある)。
病態と名称の由来
Remitting(軽快する)、Seronegative(血清反応陰性:RF陰性)、Symmetrical(対称性の)、Synovitis(滑膜炎) with Pitting Edema(圧痕性浮腫)の頭文字をとった症候群。滑膜や腱鞘の急激な炎症と毛細血管透過性の亢進により、末梢に著明な浮腫をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
「高齢の男性」が、「ある日突然(急激に)」、「両手の甲や足の甲がパンパンに腫れ上がり(圧痕性浮腫:押すとへこむ)、指が曲げられない(ボクシンググローブ様手)」と訴えるエピソードが超定番。関節リウマチとの鑑別が重要だが、本症は『RF陰性』であり、骨破壊(びらん)を起こさない。治療では『少量の副腎皮質ステロイドが劇的に(魔法のように)効く』ことが絶対暗記キーワード。また、胃癌や前立腺癌などの『悪性腫瘍(腫瘍随伴症候群)』が約20%に隠れているため、全身検索が必須である。
覚え方・コツ
「RS3PEは、おじいちゃんの手の甲・足の甲が突然パンパン(浮腫)になる病気!リウマチと違って骨は壊れないしRFもマイナス。少量のステロイドで嘘みたいに治るけど、裏に『ガン』が隠れてないか絶対探せ!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。