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VEXAS症候群は、2020年に発見された、X染色体上のUBA1遺伝子の体細胞変異を原因とする成人(主に高齢男性)発症の自己炎症性疾患である。大赤血球性貧血などの造血障害と、ステロイド依存性の難治性炎症を合併する最新の重要疾患概念である。
原因不明の発熱
軟骨炎(耳介、鼻軟骨などの発赤・腫脹・疼痛)
多彩な皮疹(結節性紅斑様、好中球性皮膚症など)
肺浸潤影、静脈血栓症
進行性の造血不全(特に大赤血球性貧血、血小板減少)
※ステロイドを減量すると直ちに症状が再燃する(強固なステロイド依存性)。
初期評価
高齢男性における、ステロイド依存性の難治性炎症疾患(PMR様、RP様)と大赤血球性貧血の合併から強く疑う。
検査
骨髄穿刺検査で「骨髄球系および赤芽球系前駆細胞の細胞質内空胞(vacuoles)」を高頻度に認める。確定診断は、末梢血または骨髄を用いた遺伝子検査による『UBA1遺伝子の体細胞変異』の証明である。
治療方針
確立された標準治療はまだないが、疾患の活動性を抑えるために中等量以上の副腎皮質ステロイドが必須となることが多い(しかし減量が極めて困難)。ステロイドを減量(ステロイドスペアリング)し、進行する造血不全に対応するため、JAK阻害薬(ルキソリチニブなど)、IL-6阻害薬(トシリズマブ)、低メチル化薬(アザシチジン:MDSに準じる)などが試みられている。若年で全身状態が保たれていれば、同種造血幹細胞移植が唯一の治癒を目指せる治療となる。
病態
X染色体上に存在する『UBA1遺伝子』(タンパク質の分解・ユビキチン化に必須の酵素をコード)の造血幹細胞における「後天的な体細胞変異」により生じる(そのため患者のほとんどが中高年男性)。変異した骨髄系細胞から炎症性サイトカインが過剰に放出される。
試験・臨床での重要ポイント
これまで「治療抵抗性のリウマチ性多発筋痛症(PMR)」「再発性多発軟骨炎(RP)」「結節性多発動脈炎(PAN)」「骨髄異形成症候群(MDS)」などの診断をつけられ、ステロイドが減量できずに苦しんでいた『高齢男性』の中に、実はこのVEXAS症候群が多数潜んでいたことが判明し、世界的ニュースとなった。ステロイド依存性の原因不明の炎症と、進行する『大赤血球性貧血(MCV高値)』の合併が最大の特徴。骨髄検査で『前駆細胞の細胞質内空胞』を認める。
覚え方・コツ
「VEXAS(ベクサス)は2020年発見の超重要疾患!『高齢男性』で、『MCVが高い貧血』があって、『熱や軟骨炎(耳・鼻)がステロイドを減らすとすぐ再燃する』ならコレを疑え!原因はX染色体のUBA1遺伝子の後天的バグ。骨髄の細胞に穴(空胞)があくのが目印!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。