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遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビター(C1-INH)の欠損または機能不全によりブラジキニンが過剰産生され、突然、顔や喉、消化管などに強い浮腫をきたす常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。喉頭浮腫による窒息や激しい腹痛が特徴で、通常の抗アレルギー薬が無効なため専用の治療薬が必要となる。
非そう痒性の浮腫(顔面、口唇、四肢など。赤みやかゆみを伴わず、2〜3日持続して自然消退する)
消化管浮腫による激しい腹痛、悪心・嘔吐、下痢(腸閉塞様の症状)
喉頭浮腫による呼吸困難、嗄声、窒息
誘因:歯科治療(抜歯など)、外傷、精神的ストレス、ACE阻害薬の内服(ブラジキニン分解を阻害するため禁忌)
初期評価
かゆみのない反復性の浮腫、原因不明の腹痛、家族歴から疑う。通常の抗アレルギー薬が無効である病歴が手がかりとなる。
検査
血液検査で『C4の著明な低下』がスクリーニングとして極めて有用(発作時以外でも低値)。確定診断として『C1-INH抗原量および機能(活性)の低下』を確認する(III型はC1-INH正常)。
急性発作時の治療
抗ヒスタミン薬やステロイドは無効。発作時には『C1-INH補充療法(血漿分画製剤の静注)』や、『ブラジキニンB2受容体拮抗薬(イカチバントの皮下注)』、『カリクレイン阻害薬(エカランチド)』を早期に投与する。喉頭浮腫で気道閉塞が切迫している場合は、躊躇せず気管挿管や気管切開を行う。
予防
短期予防(抜歯などの前)にC1-INH製剤を投与。長期予防としてトラネキサム酸、弱男性ホルモン薬(ダナゾール)、または血漿カリクレイン阻害薬(ベロトラルスタット内服、ラナデルマブ皮下注など)を定期投与する。
病態
補体第1成分の阻害タンパクであるC1-INHの異常(I型・II型)により、カリクレイン-キニン系の制御が破綻し、強力な血管拡張物質である『ブラジキニン』が過剰に産生・遊離される。これにより血管透過性が亢進し、局所に浮腫が生じる。
試験・臨床での重要ポイント
「前触れなく突然、口唇や眼瞼、四肢がパンパンに腫れる」が、ヒスタミンが原因ではないため『かゆみや赤み(蕁麻疹)を伴わない』ことが最大の特徴。『喉頭浮腫』は気道閉塞による窒息死の危険があり超緊急疾患である。また、腸管壁の浮腫による『原因不明の激しい腹痛や嘔吐』で開腹手術をされてしまうケース(不必要な手術)もある。抜歯や外傷、ストレスが誘因となる。ヒスタミンが原因ではないため、『抗ヒスタミン薬、ステロイド、アドレナリンが全く効かない』点が極めて重要。
覚え方・コツ
「HAEは、C1インヒビター不足で『ブラジキニン(腫れ物質)』が大暴走!突然、顔や喉、腸がパンパンに腫れるが、アレルギーじゃないから『かゆくないし、ステロイドも効かない』。喉が腫れたら窒息の危機!専用の特効薬(イカチバントやC1インヒビター補充)を使え!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。