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急性尿細管壊死(ATN)は、腎臓の尿細管上皮細胞が虚血や毒性物質によって壊死・脱落し、急激な腎機能の低下(急性腎障害:AKI)をきたす疾患。腎性AKIの中で最も頻度が高く、脱水などによる「腎前性AKI」との鑑別が重要である。
乏尿(尿量400mL/日以下)または無尿。
尿毒症症状:全身倦怠感、悪心、意識障害。
体液貯留による浮腫、高血圧、心不全、肺水腫。
致死的な不整脈(高カリウム血症による)。
血液検査:血清BUN、Crの急激な上昇。高カリウム血症、代謝性アシドーシス。
尿検査:尿比重の低下(等張尿:約1.010)、尿浸透圧低下(< 350 mOsm/kg)。
尿沈渣:『褐色顆粒円柱』、尿細管上皮細胞円柱。
尿生化学:『FENa > 1%』、尿中Na濃度 > 40 mEq/L(※腎前性と比較)。
原因の除去:血圧の維持(輸液、昇圧薬)、腎毒性薬剤の中止。
保存的治療:水分・塩分・カリウムの制限。利尿薬(ループ利尿薬)による尿量確保の試み。
腎代替療法:高カリウム血症、肺水腫、高度のアシドーシス、尿毒症症状などが出現した場合は、一時的な『血液透析(HD)または持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)』を行う。※数週間で尿細管細胞が再生し、回復(利尿期)に向かうことが多い。
病態
①虚血性:出血性ショック、重症敗血症などによる腎血流の著しい低下が長時間続くことで尿細管が死滅する(腎前性AKIの悪化)。
②毒性:アミノグリコシド系抗菌薬、造影剤、横紋筋融解症によるミオグロビンなどが直接尿細管を破壊する。
試験・臨床での重要ポイント
血流不足の『腎前性』と、腎臓自体が壊れた『腎性(ATN)』の鑑別が超頻出。
尿細管が死んでいるため、尿を濃縮できず『尿比重が1.010に固定(等張尿)』され、ナトリウムを再吸収できないため『FENa(ナトリウム排泄分画)が 1% 以上(通常2%以上)』となるのが決定的な違い(腎前性はFENa < 1%)。
また、尿沈渣で壊死した細胞の残骸である『褐色顆粒円柱』や『尿細管上皮細胞』が多数見られるのが特徴。
覚え方・コツ
「ATNは『尿細管の細胞が酸欠や毒で死んで剥がれ落ちた状態』!脱水(腎前性)なら腎臓は元気だから、水分やNaを必死で回収してオシッコを濃くする(FENa < 1%)。でもATNはザルになっているから、Naはダダ漏れ(FENa > 1%)で、オシッコも濃縮できない。死んだ細胞のカスが固まって『顆粒円柱』として尿に出てくるのがサイン!」
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腎血管性高血圧は、腎動脈の狭窄によって腎血流が低下し、腎臓が血圧を上げるホルモン(レニン)を過剰に分泌することで生じる二次性高血圧である。原因として高齢男性の「動脈硬化」と、若年女性の「線維筋性異形成(FMD)」がある。
腎性尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の分泌は正常であるにもかかわらず、腎臓(集合管のV2受容体)がADHに反応しないため、水分の再吸収ができず多尿・口渇をきたす疾患である。
腎静脈血栓症は、腎臓から血液を戻す腎静脈内に血栓が形成される病態。ネフローゼ症候群(特に膜性腎症)の代表的な合併症として知られ、突然の側腹部痛や血尿をきたす。
横紋筋融解症は、骨格筋(横紋筋)の急激な破壊・壊死により、筋細胞内の成分(ミオグロビン、CK、カリウムなど)が血液中に大量に流出する病態。急性腎障害(AKI)や致死的な高カリウム血症を引き起こす極めて危険な救急疾患である。