横紋筋融解症は、骨格筋(横紋筋)の急激な破壊・壊死により、筋細胞内の成分(ミオグロビン、CK、カリウムなど)が血液中に大量に流出する病態。急性腎障害(AKI)や致死的な高カリウム血症を引き起こす極めて危険な救急疾患である。
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筋肉症状:激しい筋肉痛、筋力低下、脱力感、患部の腫脹・圧痛。
尿の異常:赤褐色尿(コーラ色尿・ポートワイン尿)。
全身症状:全身倦怠感、急性腎障害による乏尿・無尿、高カリウム血症による致死性不整脈(心室細動、心停止)。
血液検査:『CK(CPK)の異常高値』、血中ミオグロビン高値、高カリウム血症、高リン血症、低カルシウム血症(初期)、LDHやASTの上昇、BUN/Crの急上昇。
尿検査:尿中ミオグロビン陽性。※尿定性の潜血反応は「強陽性」となるが、尿沈渣を顕微鏡で見ても「赤血球がいない」のが特徴(ミオグロビンに潜血反応が偽陽性を示しているため)。
初期治療(最優先・絶対必須):『細胞外液(生理食塩水や乳酸リンゲル液)の大量輸液』。尿量を十分に確保し、ミオグロビンの尿細管内での沈殿を防ぐ。重炭酸ナトリウムを加えて尿をアルカリ化することもある。
高カリウム血症の補正:グルコン酸カルシウム(カルチコール)静注、GI療法(グルコース+インスリン静注)など。
血液浄化療法:輸液に反応しない乏尿、重篤な高カリウム血症、高度の腎不全に至った場合は、緊急で血液透析(HD)や持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)を行う。
病態
地震などで瓦礫の下敷きになる『クラッシュ症候群(挫滅症候群)』、長時間の昏睡(自分の体重で筋肉が圧迫される)、熱中症、激しい痙攣、および『薬剤性(スタチンやフィブラート系の脂質異常症治療薬)』などが原因となる。
試験・臨床での重要ポイント
『赤褐色尿(コーラ色尿)』が最強のキーワード。破壊された筋肉から漏れ出た「ミオグロビン」が尿に排出されてコーラ色になる。このミオグロビンが腎臓の尿細管に詰まり、直接的な毒性も相まって『急性腎障害(腎性AKI/ATN)』を引き起こす。
採血では『CK(クレアチンキナーゼ)の著増(数万単位になることもある)』と『高カリウム血症』を認める。細胞内から飛び出したカリウムによって致死性不整脈(心室細動など)を起こすため、極めて緊急性が高い。
治療の鉄則は『一刻も早い大量輸液(細胞外液)』によって、尿量を確保しミオグロビンを洗い流すことである。
覚え方・コツ
「横紋筋融解症は『筋肉がぶっ壊れて中身が漏れ出す大事故』!スタチン(コレステロールの薬)の副作用や、瓦礫の下敷き(クラッシュ症候群)になった時に起きる。漏れ出した筋肉の成分(ミオグロビン)でおしっこが『コーラ色』になり、腎臓のパイプに詰まって急性腎不全になる。カリウムも漏れ出て心臓が止まるから、一刻も早く『大量の点滴』で腎臓を洗い流せ!」
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Fanconi症候群は、腎臓の「近位尿細管」の機能が全体的に障害され、ブドウ糖、アミノ酸、尿酸、リン、重炭酸イオンなど、本来再吸収されるべき物質がすべて尿中に漏れ出てしまう症候群である。
膀胱癌は、膀胱の尿路上皮から発生する悪性腫瘍であり、約90%以上が尿路上皮癌(移行上皮癌)である。「無痛性全血尿」が最大の特徴であり、喫煙や染料(ベンジジンなど)の職業曝露が強力なリスク因子となる。
糖尿病性腎症は、糖尿病の三大合併症(しめじ:神経・目・腎臓)の一つであり、日本の透析導入原因の第1位である。微量アルブミン尿から始まり、持続的蛋白尿、ネフローゼ症候群を経て腎不全へと進行する。
腎硬化症は、長期間の高血圧によって腎臓の細動脈が硬化し、腎血流量が減少して腎実質が萎縮・線維化する疾患である。良性(緩徐な進行)と悪性(急激な血圧上昇に伴う腎不全)に分けられる。