医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
眼窩底破裂(吹き抜け骨折)は、眼球への鈍的打撲により眼窩内圧が急上昇し、脆弱な眼窩底(上顎骨など)や内壁が骨折する外傷である。CBTや国試では、下直筋の陥凹部への嵌頓による眼球運動障害(上転障害)と複視、および鼻かみ禁忌が超頻出である。
複視(特に上や下を見た時に二重に見える)
眼球運動障害(上転障害が最も多い)
眼球陥凹(眼窩内容物が上顎洞に落ち込むため、目が奥に引っ込む)
頬部、鼻翼、上口唇の知覚鈍麻(眼窩下神経の損傷による)
眼球心臓反射(小児などで下直筋が強く絞扼されると、迷走神経反射により悪心・嘔吐、徐脈をきたす)
初期評価
顔面打撲の病歴と、複視、眼球運動の制限、眼球陥凹から直ちに疑う。
検査
「顔面部単純CT検査(冠状断および水平断)」が必須。眼窩底の骨折と、上顎洞へ垂れ下がる軟部組織(Hanging drop sign:滴下サイン)を確認する。「Hess(ヘス)赤緑試験」で眼球運動障害の程度を定量評価し、牽引試験(Traction test)で眼球の機械的運動制限を確認する。
初期対応
眼窩内気腫(感染や視神経圧迫の原因となる)を防ぐため、「鼻をかまない」よう強く指導する。感染予防に抗菌薬を投与する。
根本治療
筋肉の嵌頓がなく、複視が正面視で気にならない程度であれば保存的治療(自然回復を待つ)となる。しかし、正面視での複視が強い場合や、眼球陥凹が目立つ場合、および小児で眼球心臓反射(徐脈・嘔吐)を伴う強固な絞扼がある場合は、早期に「手術(骨折部整復・嵌頓解除・眼窩底再建術)」を行う。
病態
野球のボールや拳などの鈍的な外力が眼球に加わることで、眼窩内圧が瞬間的に上昇し、眼窩を構成する骨のうち最も薄い「眼窩底(上顎骨)」や「内壁(篩骨紙様板)」が吹き抜けるように骨折する。
試験での重要ポイント
骨折した隙間に眼窩内脂肪や外眼筋(特に眼球を下に向ける『下直筋』や下斜筋)が挟まる(嵌頓:かんとん)ことが最大の問題である。下直筋が引っ張られたまま固定されるため、眼球が上を向けなくなり(『上転障害』)、物が二重に見える『複視』をきたすエピソードが超定番。また、眼窩下神経領域(頬〜上口唇)のしびれ(知覚鈍麻)も特徴的。初期指導として、眼窩内に空気が逆流して眼窩内気腫を起こすのを防ぐため『鼻かみ禁忌』を指導することが絶対暗記項目である。
覚え方・コツ
「パンチを食らって目の下の骨が抜ける(吹き抜け骨折)!下の筋肉(下直筋)が骨の隙間に挟まるから、目が上を向けない(上転障害)、物が二重に見える(複視)。空気で目が飛び出さないように『絶対に鼻をかむな』と指導しろ!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。