最終更新日: 2026年4月19日
アスクレピアで深掘りする環状紅斑は、辺縁が環状(ドーナツ状)に隆起し、中心部が退色していく紅斑の総称である。CBTや国試では、特定の基礎疾患に伴う皮疹として問われることが多く、特に抗SS-A抗体陽性のシェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う環状紅斑、およびリウマチ熱に伴う輪状紅斑が超頻出である。
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環状の紅斑:辺縁が数mm〜数cm幅で隆起した赤みとなり、中心部は正常皮膚色に戻るか、わずかな色素沈着を残す。
基礎疾患に伴う症状:ドライアイ・ドライマウス(シェーグレン症候群)、光線過敏・関節炎(SLE)、発熱・心雑音・舞踏運動(リウマチ熱)など。
初期評価
環状紅斑の性状(鱗屑の有無、移動性か否か)を確認し、全身症状(発熱、関節痛、乾燥症状、マダニ刺咬歴)の問診を行う。
検査
膠原病が疑われる場合は、血液検査で「抗核抗体」「抗SS-A抗体(Ro抗体)」「抗SS-B抗体(La抗体)」を測定する。リウマチ熱が疑われる場合は「ASO値」「心エコー」を行う。ライム病が疑われる場合はボレリア抗体価を測定する。白癬による体部白癬(ゼニたむし)との鑑別のため、辺縁の鱗屑から「KOH直接鏡検」を行うことが必須である。
鑑別
最大の鑑別疾患は「体部白癬(ゼニたむし)」である。白癬も環状を呈するが、辺縁に小水疱や強い鱗屑を伴い、KOH鏡検で真菌が陽性となる点で鑑別できる。
初期対応
基礎疾患の鑑別がつくまでは、安易なステロイド外用を行わない(白癬であった場合、異型白癬となり悪化するため)。
根本治療
環状紅斑を引き起こしている「原因・基礎疾患に対する治療」が原則である。シェーグレン症候群やSCLEに対してはステロイドや免疫抑制薬、ヒドロキシクロロキンなどを使用する。リウマチ熱やライム病に対しては、ペニシリン系やテトラサイクリン系などの抗菌薬を投与する。対症療法としてステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬を使用することもある。
病態
何らかのアレルギー反応や自己免疫学的機序により、局所の血管拡張と炎症細胞浸潤が生じ、それが遠心性に拡大することで中心が治癒・退色し、辺縁のみが環状に残る病態である。
分類と原因(試験で重要なもの)
【SS-A抗体陽性に伴う環状紅斑】:シェーグレン症候群(SS)や亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)、新生児ループスにおいて、顔面や体幹に多発する。鱗屑を伴わない(または軽微な)ドーナツ状の紅斑。
【輪状紅斑(Erythema marginatum)】:A群溶連菌感染後の「リウマチ熱」の主症状の一つ。体幹に移動性の淡い環状紅斑を生じ、かゆみはない。
【遊走性紅斑(Erythema chronicum migrans)】:マダニ刺咬による「ライム病(ボレリア感染)」の初期症状。刺し口を中心に巨大な環状紅斑が広がる。
【遠心性環状紅斑】:白癬菌などの真菌アレルギーなどが原因となる特発性のもの。
試験での重要ポイント
「ドーナツ状の皮疹(環状紅斑)」の画像が出たら、背景にある疾患を問う問題である可能性が極めて高い。『シェーグレン症候群』や『SLE』の患者に出た場合は『抗SS-A抗体陽性』がキーワード。子供の移動する環状紅斑で心雑音(心炎)や関節炎があれば『リウマチ熱』。山林でのダニ刺咬歴があれば『ライム病』を疑う。
覚え方・コツ
「ドーナツ状の赤み(環状紅斑)は裏の病気のサイン!膠原病(シェーグレン・SLE)ならSS-A抗体、子供の熱・関節痛ならリウマチ熱、ダニに噛まれたらライム病!」
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褥瘡は、長時間の圧迫により皮膚や皮下組織の血流が阻害され、虚血性壊死に陥る状態である。寝たきりの高齢者に好発する。リハビリ・看護分野でのニーズが極めて高く、国試では好発部位(仙骨部など)や、状態評価ツール「DESIGN-R」を用いたアセスメント、および病期(黒・黄・赤・白)に応じた外用薬・ケアの選択が超頻出である。
扁平苔癬は、皮膚や粘膜にそう痒を伴う紫紅色の扁平隆起性丘疹が多発する難治性の炎症性角化症である。細胞性免疫異常が背景にあり、特に日本においてはC型肝炎ウイルス(HCV)感染との合併率が高い。CBTや医師国家試験では、口腔粘膜のWickham線条や、病理組織での基底層の液状変性、ケブネル現象が頻出の重要疾患である。
回状頭皮(Cutis verticis gyrata)は、頭皮が肥厚して大脳の脳回(溝)のような深いしわを形成する状態である。原発性のほか、先端巨大症(アクロメガリー)などの内分泌疾患に伴う続発性の皮膚症状として国試で問われることがある。
疥癬は、ヒゼンダニの皮膚寄生によって生じる極めてそう痒の強い感染症である。高齢者施設や病院で集団感染を起こしやすく、CBTや医師国家試験では、手指の疥癬トンネルや夜間増悪する激しいかゆみ、そして重症型である角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の隔離対応とイベルメクチン内服が超頻出の重要疾患である。