最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする尋常性天疱瘡は、表皮細胞間の接着分子であるデスモグレイン3(および1)に対する自己抗体によって生じる自己免疫性水疱症である。全身の皮膚や口腔粘膜に破れやすい弛緩性水疱とびらんを多発する。CBTや医師国家試験では、水疱性類天疱瘡との鑑別が極めて重要であり、ニコルスキー現象陽性、口腔粘膜疹の初発、病理組織での表皮内水疱が超頻出の重要疾患である。
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尋常性天疱瘡は、表皮細胞間の接着分子であるデスモグレイン3(および1)に対する自己抗体によって生じる自己免疫性水疱症である。全身の皮膚や口腔粘膜に破れやすい弛緩性水疱とびらんを多発する。CBTや医師国家試験では、水疱性類天疱瘡との鑑別が極めて重要であり、ニコルスキー現象陽性、口腔粘膜疹の初発、病理組織での表皮内水疱が超頻出の重要疾患である。
口腔粘膜のびらん、潰瘍(ほぼ全例でみられ、初発症状となることが多い。疼痛により食事が困難になる)
弛緩性水疱(薄く破れやすい、ダラッとした水疱)
びらん、痂皮(水疱が破れた後に生じる広範な皮膚の剥がれ)
ニコルスキー現象陽性(健常に見える皮膚に摩擦を加えると水疱が誘発される)
※そう痒(かゆみ)は乏しいことが多い(類天疱瘡との違い)。
初期評価
痛みを伴う難治性の口腔粘膜疹と、全身の破れやすい水疱、ニコルスキー現象の存在から本疾患を強く疑う。
検査
血液検査(ELISA法)で「抗デスモグレイン3抗体(抗Dsg3抗体)」を確認する。確定診断のために水疱辺縁から皮膚生検を行い、病理組織で「表皮内水疱」と「棘融解(Tzanck細胞)」を確認する。さらに蛍光抗体直接法(DIF)を実施し、表皮細胞間に「IgGとC3の網目状沈着」を証明する。
鑑別
最大の鑑別疾患は「水疱性類天疱瘡(BP)」である。BPは高齢者に多く、緊満性水疱(パンパンに張って破れにくい)、ニコルスキー現象陰性、強いそう痒、表皮下水疱、抗BP180抗体陽性、DIFで基底膜部に線状沈着を示す点で明確に区別できる。
初期対応
広範囲の皮膚が剥離するため、感染予防や水分・電解質の管理など、重症熱傷に準じた全身管理を行う。
根本治療
重症かつ致死的な疾患であるため、第一選択は「中等量〜高用量の副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の全身投与」である。ステロイド抵抗例や重症例には、免疫抑制薬(アザチオプリンやシクロホスファミド)、血漿交換療法、大量免疫グロブリン静注療法(IVIG)、および抗CD20モノクローナル抗体である「リツキシマブ」を積極的に併用して寛解導入を図る。
病態
IgG自己抗体が表皮の細胞間接着因子(デスモゾーム)を破壊し、細胞同士の結合が外れてしまう「棘融解(acantholysis)」を引き起こすことで、表皮の浅い層に水疱(表皮内水疱)が形成される病態である。
原因
主に表皮の下層および粘膜に強く発現する「デスモグレイン3(Dsg3)」に対する自己抗体(抗Dsg3抗体)が原因である。皮膚と粘膜の両方に症状が出る場合は、抗Dsg1抗体と抗Dsg3抗体の両方が陽性となることが多い。
分類
自己免疫性水疱症に分類され、抗Dsg1抗体のみが陽性で粘膜疹を伴わずより浅い層(角層下)に水疱ができる「落葉状天疱瘡」と区別される。
試験での重要ポイント
「口腔粘膜の痛いびらんから始まり、その後全身に破れやすい水疱(弛緩性水疱)ができる」という病歴が超定番である。一見正常な皮膚をこすると水疱ができたり表皮が剥がれたりする『ニコルスキー(Nikolsky)現象陽性』が頻出。病理組織問題として『表皮内水疱』と、棘融解によりバラバラになった丸い表皮細胞である『Tzanck(ツァンク)細胞』が出題される。また、蛍光抗体体直接法(DIF)での『細胞間へのIgGの網目状(魚網状)沈着』も絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「天疱瘡(尋常性)は、口から始まる(Dsg3)。浅いところ(表皮内水疱)だからすぐ破れる(弛緩性・ニコルスキー陽性)。ツァンク細胞がバラバラになって、蛍光抗体法はアミメ(網目状)!」
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重症多形滲出性紅斑は、薬剤などを契機に高熱とともに全身の紅斑、水疱、びらん、および重篤な粘膜疹(眼、口腔、陰部)をきたす致死的な疾患である。体表面積の表皮剥離割合により、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)に分類される。CBTや国試では、ニコルスキー現象陽性、重篤な眼病変、ステロイドパルス療法が超頻出である。
尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる良性の皮膚腫瘍である。手足の指や足底に好発し、表面がザラザラした硬い角化性の丘疹や結節を形成する。CBTや医師国家試験では、病理組織でのコイロサイト(空胞化細胞)の出現や、鶏眼(ウオノメ)との鑑別、液体窒素による凍結療法が第一選択となる点が頻出の重要疾患である。
基底細胞癌(BCC)は、表皮の基底細胞に由来する皮膚癌であり、日本で最も発生頻度が高い悪性腫瘍の一つである。高齢者の顔面に好発し、真珠様光沢を伴う黒褐色結節を特徴とする。CBTや医師国家試験では、ダーモスコピー所見(樹枝状血管など)や病理組織(周辺柵状配列)、および転移が極めて稀である点が頻出の重要疾患である。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラノサイト由来の極めて悪性度の高い皮膚癌である。日本人では足底などに生じる末端黒子型が最多である。CBTや医師国家試験では、早期発見のためのABCDEルールや、ダーモスコピー検査、生検の際の注意点(原則として全切除生検とし、部分生検は避ける)、およびBRAF変異陽性例に対する分子標的薬が超頻出の重要疾患である。