Dubin-Johnson症候群は、肝細胞で抱合された直接ビリルビンを胆汁中へ排泄するトランスポーターの遺伝的欠損により、直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症をきたす体質性黄疸である。腹腔鏡での「黒色肝」が超頻出キーワード。
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無症状、または軽度の黄疸(眼球結膜の黄染)
軽度の全身倦怠感や右季肋部不快感を伴うことがある
妊娠や経口避妊薬の使用により黄疸が増悪することがある
※Gilbert症候群と異なり、飢餓やストレスによる明らかな増悪はない。
初期評価
肝機能(AST/ALT、胆道系酵素)が正常で、直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症を認めた場合に疑う。
検査
①『腹腔鏡検査(または肝生検)』で、肉眼的に『黒色肝』を確認し、組織学的に肝細胞内中心静脈域のリソソーム色素顆粒(リポフスチン様色素)の沈着を確認する。
②『尿中コプロポルフィリン排泄試験』で、総量は正常だが『I型の比率が80%以上(健常者はIII型が優位)』と逆転していることを確認する。
③BSP(またはICG)排泄試験で、45分値の再上昇(二次上昇)を認める。
治療方針
『治療は不要である(予後良好)』。肝機能障害や肝硬変へ進行することはないため、患者に体質であることを説明し安心させる。※類似の直接ビリルビン優位の体質性黄疸にRotor(ローター)症候群があるが、こちらは黒色肝を伴わず、尿中コプロポルフィリン総量が増加する点で鑑別される。
病態
ABCC2遺伝子(MRP2をコード)の変異により、毛細胆管側への有機アニオン(直接ビリルビンなど)の排泄ポンプが機能しない。そのため、肝細胞内で処理された直接(抱合型)ビリルビンが胆道へ出られず、血液中に逆流して高ビリルビン血症となる。また、アドレナリン等の代謝産物が肝細胞内にリソソーム色素として蓄積し、肝臓全体が真っ黒になる。
試験での重要ポイント
Gilbert症候群とは異なり『直接ビリルビンが優位に上昇』する。肝機能(AST/ALT/ALP/γ-GTP)は正常。最大の画像問題キーワードは、腹腔鏡検査や肉眼で肝臓が真っ黒に見える『黒色肝(black liver)』である。また、尿中コプロポルフィリン排泄の異性体比が健常者と逆転(『I型が80%以上』を占める)することも国試で頻出。予後は良好で治療不要。
覚え方・コツ
「Dubin-Johnson(DJ)は、肝臓の出口のポンプが壊れた体質性黄疸!処理済み(直接)ビリルビンが外に出られず血中に溢れる。色素が溜まって肝臓が真っ黒(黒色肝:DJはブラックミュージックのDJ!)になるのが最大の目印。尿中のコプロポルフィリンはI型がメイン。治療は不要!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。