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顔面神経麻痺は、顔面神経(第VII脳神経)の障害により片側の顔面筋が動かなくなる疾患である。原因不明(HSV再活性化疑い)で予後良好な「Bell麻痺」と、VZV再活性化により耳介の帯状疱疹や難聴・めまいを伴い予後不良な「Hunt症候群」の鑑別がCBTや国試で超頻出である。
片側顔面筋の麻痺:額のしわ寄せができない、眼瞼閉鎖不全(兎眼)、鼻唇溝の消失、口角の下垂(水を飲むとこぼれる)。
ベル現象(眼を閉じようとすると、まぶたが閉じきらず白目(眼球上転)が見える)。
味覚障害(舌前2/3の味覚低下:鼓索神経障害)。
聴覚過敏(アブミ骨筋反射の消失による)。
【Hunt症候群のみ】:耳介や外耳道の水疱(帯状疱疹)、強い耳痛、感音難聴、めまい。
初期評価
額のしわ寄せの有無で末梢性(しわが寄らない)と中枢性(脳卒中など:しわが寄る)を鑑別する。耳介の水疱と難聴・めまいの有無を確認しHunt症候群を鑑別する。
検査
純音聴力検査(Hunt症候群の評価)。電気生理学的検査(ENoG:顔面神経誘発筋電図)を用いて、神経変性の割合を測定し、予後予測と手術適応(顔面神経減荷術)を決定する。
初期対応・根本治療
発症早期からの強力な薬物療法が後遺症を防ぐ鍵となる。
①「副腎皮質ステロイドの全身投与(点滴または内服)」で神経の浮腫と炎症を軽減する。
②「抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)」を投与する(Hunt症候群では必須、Bell麻痺でも早期に併用することが多い)。
③眼瞼閉鎖不全による角膜乾燥・潰瘍(角膜炎)を防ぐため、人工涙液点眼や眼帯・眼軟膏による「眼の保護」を行う。
保守的治療で改善が見込めない高度麻痺(ENoGで変性率90%以上など)には、「顔面神経減荷術(骨管を削って神経の圧迫を解除する)」を早期に検討する。
病態と分類
末梢性顔面神経麻痺の代表的2疾患である。※末梢性麻痺は顔の「上半分(額のしわ寄せ不可)と下半分」両方が動かなくなる(中枢性は上半分が動く)。
【Bell(ベル)麻痺】:特発性(原因不明)とされるが、単純ヘルペスウイルス(HSV)の再活性化が関与していると考えられている。顔面神経麻痺の約60%を占める最多原因。予後は比較的良好。
【Ramsay Hunt(ラムゼイ・ハント)症候群】:水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により、顔面神経と近接する内耳神経(第VIII脳神経)が同時に障害される。『顔面神経麻痺』+『耳介の帯状疱疹』+『難聴・めまい』の三徴を呈する。Bell麻痺よりも重症で後遺症を残しやすい。
試験での重要ポイント
「片側の眼が閉じない(兎眼)、口から水がこぼれる」という症状が出題される。眼を閉じようとすると眼球が上転する『ベル現象』が特徴。額のしわ寄せができるか(中枢性との鑑別)、耳介の水疱や難聴がないか(Hunt症候群との鑑別)が頻出。治療はどちらも『ステロイド』と『抗ウイルス薬』であるが、早期治療が重要である。
覚え方・コツ
「末梢性の顔面麻痺は、おでこから口まで顔の半分が全部動かない(中枢性はおでこが動く)!Bell麻痺は原因不明(HSV)の単独犯。Hunt症候群はVZVの仕業で、顔の麻痺+耳のブツブツ(帯状疱疹)+耳鳴り・めまいの凶悪3点セット!」
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。