腹部大動脈瘤(AAA)は、腹部大動脈が局所的に拡大(通常3cm以上)した状態である。多くは無症状だが、臍周囲の「拍動性腫瘤」として触知され、破裂すると致命的な腹腔内出血をきたす。拡大速度や径(男性5cm以上など)に基づいて手術を検討する。
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通常は無症状。
自覚症状:腹部の拍動感、腹痛・腰痛(破裂・切迫破裂のサイン)。
破裂時:激しい腹痛・背部痛、出血性ショック(血圧低下、頻脈、冷汗)。
身体所見:腹部拍動性腫瘤の触知。
腹部超音波(スクリーニング):瘤の有無と径の測定。
腹部造影CT(確定診断):瘤の正確なサイズ、範囲(腎動脈との位置関係)、壁在血栓の有無、破裂の兆候の評価。
保存的加療(小径の場合):厳格な『血圧管理(降圧)』と定期的な画像フォロー。
外科的治療:手術適応を満たす場合、『開腹人工血管置換術』または『EVAR(ステントグラフト内挿術)』を選択。破裂時は一刻を争う緊急手術が必要となる。
病態
動脈硬化が最大の原因。腎動脈分岐部より「下」に発生することが多い(約90%)。血管壁の脆弱化により瘤状に膨らむ。
試験・臨床での重要ポイント
身体所見で『臍周囲の拍動性腫瘤』を認める。痛みがある場合は「切迫破裂」のサインであり、緊急の対応が必要。
手術適応の基準が重要。①『最大径が男性50〜55mm、女性50mm以上』、②『半年で5mm以上の急速な拡大』、③『形状が嚢状(のうじょう)』、などが基準となる。
治療法は、従来の開腹人工血管置換術に加え、足の付け根からカテーテルで管を入れる低侵襲な『EVAR(ステントグラフト内挿術)』が広く行われる。
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心室頻拍は、心室から発生する異常な電気信号により、心室が高速で収縮(頻拍)する致死性不整脈である。心電図では幅の広いQRS波が連続して出現する。脈拍が触れない「無脈性VT」は心室細動(VF)と同等であり、直ちに除細動が必要となる。
心室細動は、心室が不規則に細かく痙攣し、心臓のポンプ機能が完全に失われた状態(心停止)である。急性心筋梗塞直後などに好発し、直ちに除細動(電気ショック)を行わないと数分で死に至る。
マルファン症候群は、結合組織の主成分であるフィブリリン1の異常により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。高身長やクモ状指などの骨格異常、大動脈解離などの重篤な心血管病変、および水晶体の上方脱臼を三徴とする。
心房中隔欠損症は、右心房と左心房を隔てる中隔に欠損孔(穴)が開いている先天性心疾患。圧の高い左房から右房へ血液が流れる「左右シャント」により右心負荷をきたす。小児期は無症状で、学校検診の心雑音や心電図異常(不完全右脚ブロック)で発見されることが多い。