クレブシエラ肺炎は、腸内細菌科の肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)による細菌性肺炎であり、大酒家や糖尿病患者などの免疫低下状態にある人に好発する。強い組織破壊性を持ち、粘り気の強い赤色痰(粘血痰)と肺上葉の空洞形成を特徴とする。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
急激な高熱、悪寒。
強い咳嗽、および特徴的な『粘稠な赤色痰(粘血痰・レンガ色痰)』。
呼吸困難、胸痛(胸膜炎・膿胸を合併しやすい)。
細菌学的検査:喀痰グラム染色で『分厚い莢膜を持つグラム陰性(赤色)の太い桿菌』を確認する。
画像診断:胸部X線・CTにて、上葉優位の浸潤影(大葉性肺炎)、葉間裂の膨隆(bulging fissure sign)、および急速に進行する『空洞形成』、胸水・膿胸。
第一選択薬:『第2・第3世代セフェム系抗菌薬(セフォチアムやセフトリアキソンなど)』。重症例ではカルバペネム系やアミノグリコシド系を併用する。
※近年、全てのβラクタム系に耐性を示すESBL産生菌やカルバペネマーゼ産生菌(CRE)が増加しており、院内感染対策上も極めて重要な菌となっている。
病態
肺炎桿菌は厚い莢膜を持つグラム陰性桿菌で、肺組織を急速に壊死(化膿・融解)させる強い毒性を持つ。正常な人より、アルコール多飲者(大酒家)や糖尿病で白血球機能が落ちている人に感染しやすい。
試験・臨床での重要ポイント
患者背景として『大酒家』『コントロール不良の糖尿病』が定番のエピソード。症状としては、ゼリーのようにドロドロでネバネバした赤みがかった痰である『粘血痰(currant jelly sputum)』が最大の特徴。
画像診断では、上葉に好発し、葉間胸膜(マイナーフィッシャー)を下方へ押し下げるように腫大する浸潤影(bulging fissure sign)や、組織が溶けてできる『空洞形成』を伴うのが頻出キーワード。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。