胸膜炎は、肺を覆う胸膜に炎症が生じる疾患であり、深呼吸や咳嗽で増悪する鋭い胸痛(胸膜炎様痛)が特徴である。進行すると胸水が貯留し、呼吸困難をきたす。原因の鑑別(感染症、悪性腫瘍、膠原病など)が重要となる。
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胸膜炎様胸痛(深呼吸、咳嗽、体動で増悪する鋭い痛み)。
胸水貯留による症状:呼吸困難、咳嗽。
原因疾患による症状:発熱(感染症)、体重減少(悪性腫瘍)、関節痛(膠原病)など。
身体所見:患側の呼吸音減弱、打診で濁音、胸膜摩擦音の聴取。
画像診断:胸部X線、CTで胸水貯留や胸膜の肥厚を確認。
胸水穿刺(診断的穿刺):外観、細胞分類(好中球優位かリンパ球優位か)、タンパク、LDH測定(Lightの基準)。細菌培養、細胞診、ADA測定などによる原因検索。
原因疾患に対する特異的治療:細菌感染には抗菌薬、結核には抗結核薬、悪性腫瘍には化学療法など。
対症療法:胸痛に対する鎮痛薬(NSAIDs)。
胸腔ドレナージ:大量の胸水による呼吸困難がある場合や、膿胸(膿が溜まった状態)となっている場合は、チューブを入れて水を抜く。
病態
肺炎や結核などの感染症、肺癌などの悪性腫瘍、関節リウマチやSLEなどの自己免疫疾患に伴って生じる。炎症により胸膜の血管透過性が亢進し、タンパク質を多く含む『滲出性胸水』が胸腔内に貯留する。
試験・臨床での重要ポイント
「息を吸い込んだ時にチクッと痛む」エピソードが典型。聴診で雪を踏むような『胸膜摩擦音(pleural friction rub)』が聞こえるのが特徴的。
胸水が貯まった場合、それが心不全などの「漏出性」か、胸膜炎などの「滲出性」かを鑑別する『Light(ライト)の基準』が国試で頻出(胸水/血清の総タンパク比>0.5、LDH比>0.6などのいずれかを満たせば滲出性)。結核性胸膜炎ではADA上昇、リンパ球優位の滲出性胸水がみられる。
覚え方・コツ
「胸膜炎は『息を吸うと肺の皮がこすれて痛い』病気!聴診器を当てるとギュッギュッ(摩擦音)と鳴る。水(胸水)が溜まってきたら痛みが消えて息苦しくなるのが引っかけポイント。水を抜いて、それが『ドロドロ(滲出性)』か『サラサラ(漏出性)』かをLightの基準で見極めろ!」
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肺胞出血症候群は、肺胞内の毛細血管が破壊され、広範な肺胞内出血をきたす病態の総称。「喀血」「進行性の貧血」「胸部X線でのびまん性浸潤影」の三徴を呈し、ANCA関連血管炎やGoodpasture症候群などの自己免疫疾患が主な原因となる。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。