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肺癌は、気管支や肺胞の上皮から発生する悪性腫瘍であり、日本における癌死因の第1位である。大きく「小細胞癌」と「非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)」に分類され、組織型によって治療方針や予後が劇的に異なる。
初期:無症状、検診のレントゲンで発見される。
進行期:咳嗽、血痰、胸痛、呼吸困難、嗄声(反回神経麻痺による)。
特殊な症候群:
Pancoast(パンコースト)症候群:肺尖部癌による腕神経叢・交感神経(Horner症候群)障害。
上大静脈(SVC)症候群:顔面・上肢の浮腫、頸静脈怒張。
副腫瘍症候群:SIADH、Lambert-Eaton症候群(小細胞癌に多い)。
画像診断:胸部X線、胸部CT(結節影、スピキュラ:棘状突起、胸水)。PET-CT(病期診断)。
確定診断:『気管支鏡検査(生検、細胞診)』、経皮的肺穿刺、胸水細胞診。
遺伝子検査:非小細胞癌(特に腺癌)では、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RET、KRAS、HER2などの遺伝子変異やPD-L1発現を必ず調べる。
非小細胞癌:I〜II期、および一部のIII期は『外科的切除(肺葉切除 + リンパ節郭清)』。切除不能例は放射線 + 化学療法。進行例は遺伝子変異に合わせた分子標的薬、または免疫チェックポイント阻害薬 + 化学療法。
小細胞癌:進行が速いため手術適応は稀。放射線 + 化学療法(シスプラチン + エトポシドなど)が標準。脳転移予防に「予防的全脳照射(PCI)」を行うことがある。
病態
喫煙が最大のリスク因子だが、非喫煙者の女性に多い腺癌も増えている。
試験・臨床での組織型別ポイント
①『腺癌』:最多(約60%)。非喫煙女性に多い。肺野末梢に発生。腫瘍マーカー『CEA』。EGFRなどの遺伝子変異が多い。
②『扁平上皮癌』:喫煙との関連が極めて強い。肺門部(太い気管支)に多い。マーカー『SCC』『CYFRA』。高Ca血症(PTHrP産生)をきたしやすい。
③『小細胞癌』:喫煙と関連。肺門部に多く、増殖が極めて速い。マーカー『NSE』『ProGRP』。抗がん剤・放射線が著効するがすぐ再発する。副腫瘍症候群(SIADH、ACTH産生など)が有名。
覚え方・コツ
「肺癌は『組織型で戦略が決まる』!一番多いのはタバコ関係なしの『腺癌(末梢・CEA)』。タバコ吸いに多いのは『扁平上皮(中心・SCC・カルシウム高)』。最速・最悪なのが『小細胞(中心・NSE)』だけど、これだけは薬がめちゃくちゃ効く!手術ができるのは非小細胞癌の初期だけ。今は分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ等)が主役!」
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I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
II型呼吸不全は、PaO2が60Torr以下に低下し、かつPaCO2が45Torrを超えて蓄積している状態。気道の閉塞や呼吸筋の低下による「肺胞換気量の低下(息が十分に吐き出せない、吸い込めない)」が主な原因である。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
CO2ナルコーシスは、慢性的に高CO2血症がある患者(主に重症COPD)に対し、不適切に高濃度の酸素を投与した結果、呼吸中枢が抑制されてさらにCO2が蓄積し、重篤な意識障害や呼吸停止に陥る医原性の病態である。