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高ナトリウム血症は、血清Na濃度が145mEq/L以上の状態であり、体内の「絶対的または相対的な水欠乏」によって生じる。口渇が最大の防御機構であるため、自力で水分摂取ができない高齢者や乳幼児に好発する。細胞内脱水による中枢神経症状をきたす。
初期症状:強い口渇(意識が清明であれば自覚する)。
進行時:細胞内脱水による神経症状(興奮、不穏、傾眠、筋攣縮、重症化すると昏睡・けいれん・くも膜下出血)。
全身症状:皮膚の乾燥、ツルゴール低下、頻脈、血圧低下(脱水所見)。
初期評価:血清Na>145mEq/L。飲水歴、口渇の有無、尿量を確認。
検査:『尿浸透圧』の測定が鑑別に有用。尿浸透圧が血漿より低い(薄い尿が大量に出ている)場合は尿崩症を疑う。尿浸透圧が高い(濃縮されている)場合は、腎外性の水喪失(発汗、下痢)や水分摂取不足と判断する。
治療方針
水欠乏量の推定を行い、経口または経鼻胃管による『水分の補充』を行う。
点滴加療:経口摂取不能な場合は、『5%ブドウ糖液(自由水)』や『1/2生理食塩水』などを輸液する。急激な浸透圧低下による脳浮腫を避けるため、血清Naの低下速度は『1日10〜12mEq/L以下』とし、数日かけてゆっくりと補正する。尿崩症に対してはデスモプレシン等を使用する。
病態
塩分の摂りすぎよりも、発汗、下痢、尿崩症、不感蒸泄の亢進などによる「水分の喪失」、あるいは「水分摂取の不足」が主な原因となる。細胞外液の浸透圧が上昇するため、細胞内から水が引き抜かれ、細胞内脱水(脳の萎縮など)が生じる。
試験・臨床での重要ポイント
「自力で水が飲めない患者(脳梗塞後、認知症の高齢者など)」の脱水症として出題されるのが定番。また、大量の薄い尿が出る『尿崩症(中枢性・腎性)』も重要な原因である。
治療の鉄則は低Na血症の逆であり、急激に水を補充して血清Naを急速に下げると、今度は水が脳細胞に一気に流れ込んで『脳浮腫』を引き起こす。そのため、水分補充はゆっくりと(48時間以上かけて、1日10mEq/L以下の低下速度で)行うのが絶対のルール。
覚え方・コツ
「高Na血症は『水不足で干からびた状態』!普通は喉が渇いて水を飲むから起きない。起きるのは『自分で水が飲めないお年寄り・赤ちゃん』か『尿崩症(おしっこダダ漏れ)』の人。治す時に急いで水(点滴)を入れると、干からびた脳みそが水を吸ってパンパンに腫れる(脳浮腫)から、ゆっくり治せ!」
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膀胱癌は、膀胱の尿路上皮から発生する悪性腫瘍であり、約90%以上が尿路上皮癌(移行上皮癌)である。「無痛性全血尿」が最大の特徴であり、喫煙や染料(ベンジジンなど)の職業曝露が強力なリスク因子となる。
糖尿病性腎症は、糖尿病の三大合併症(しめじ:神経・目・腎臓)の一つであり、日本の透析導入原因の第1位である。微量アルブミン尿から始まり、持続的蛋白尿、ネフローゼ症候群を経て腎不全へと進行する。
腎硬化症は、長期間の高血圧によって腎臓の細動脈が硬化し、腎血流量が減少して腎実質が萎縮・線維化する疾患である。良性(緩徐な進行)と悪性(急激な血圧上昇に伴う腎不全)に分けられる。
急性腎盂腎炎は、尿道から侵入した細菌が腎盂や腎実質に達して炎症を起こす、上部尿路感染症である。高熱と激しい腰背部痛(CVA叩打痛)を特徴とし、敗血症のリスクがあるため迅速な抗菌薬治療を要する。