医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
急性硬膜外血腫は、頭蓋骨骨折に伴う中硬膜動脈などの破裂により、頭蓋骨と硬膜の間に血腫が形成される病態である。意識清明期(lucid interval)の後に急激な意識障害をきたすのが特徴で、CTで凸レンズ型の高吸収域を示す。脳挫傷を伴わないことが多く、迅速な血腫除去により予後良好となる。
意識清明期(lucid interval)を伴う二相性の意識障害
頭痛(血腫増大に伴い次第に増強する)、悪心・嘔吐
患側の瞳孔散大・対光反射消失(動眼神経圧迫)、対側の片麻痺、Cushing現象(血圧上昇、徐脈)などの脳ヘルニア症状が急激に出現する。
初期評価
頭部外傷後、一旦意識が回復した(または意識清明な)患者が、数時間後に急激に意識レベルの低下や瞳孔異常をきたした場合に強く疑う。
検査
頭部CT検査(非造影)で、『凸レンズ型(紡錘形)』の高吸収域を確認する。多くの場合、骨条件の画像で血腫の直上に『頭蓋骨骨折(特に側頭骨など)』を認める。血腫は骨縫合線を越えないが、テントや大脳鎌などの硬膜の付着部は越えることがある。
治療方針
脳ヘルニアが不可逆的になる前に、一刻も早く『緊急開頭血腫除去術』を行う。骨折部の硬膜外にある血腫を吸引・除去し、破綻した中硬膜動脈などの出血源を電気凝固等で止血する。脳実質(脳挫傷)のダメージがないため、脳死や不可逆的な脳ヘルニアに至る前に血腫を除去できれば、後遺症を残さず社会復帰できる(予後良好)。
病態
側頭部などの強い打撲により頭蓋骨骨折が生じ、直下を走る中硬膜動脈(または硬膜静脈洞)が破綻する。動脈の強い圧迫により、頭蓋骨と硬膜がベリベリと剥がれながらその間に血液が急速に貯留する。脳実質(脳挫傷)のダメージは伴わないことが多い。
試験・臨床での重要ポイント
『意識清明期(lucid interval)』の存在が超頻出のキーワード。受傷直後は脳振盪で一時的に意識を失うが、その後一旦目を覚まして普通に会話する(意識清明期)。しかし、血腫が増大して脳を圧迫し始めると、数時間後に急激に脳ヘルニアを起こし、再度昏睡状態に陥る。
頭部CTでは『凸レンズ型(紡錘形・ぷっくり膨らんだ形)』の高吸収域を認める。硬膜が頭蓋骨の縫合線(冠状縫合など)で固着しているため、血腫は『骨縫合を越えない』のが特徴。
覚え方・コツ
「硬膜『外』血腫は、骨折で動脈が切れて血が『凸レンズ型(ぷっくり)』に溜まる!脳自体は無事だから、打った直後はケロッとしている(意識清明期)。でも数時間後に血がパンパンになって脳ヘルニアを起こし突然倒れる!手遅れになる前に急いで頭を開けて血を抜けば、脳は無傷なのでケロッと治る(予後良好)!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
アミロイドアンギオパチー(CAA)は、大脳皮質および軟膜の小〜中血管壁にβアミロイドタンパクが沈着し、血管が脆弱になる疾患である。高齢者の「皮質下出血(脳葉出血)」の主要な原因であり、アルツハイマー型認知症に高率に合併する。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。