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真性多血症は、造血幹細胞の遺伝子異常(主にJAK2変異)により、エリスロポエチン(EPO)の刺激なしに赤血球を中心に血液細胞が自律的に過剰増殖する骨髄増殖性腫瘍である。血液の粘稠度上昇による血栓症や、入浴後の全身そう痒感が特徴である。
赤ら顔(顔面紅潮)、眼球結膜の充血
過粘稠度による症状:頭痛、めまい、耳鳴り、高血圧、視力障害
ヒスタミン増加による症状:入浴後そう痒症(お湯につかった後に全身が激しく痒くなる)、胃潰瘍
血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症など)
脾腫(半数以上にみられる)
初期評価
健診での多血(Hb上昇、Ht上昇)や、赤ら顔、入浴後そう痒症、脾腫から疑う。
検査
血液検査でHb・Htの著増、白血球・血小板の増加(汎血球増加)。
『血清エリスロポエチン(EPO)の低下』を確認し、2次性多血症(EPO上昇)を除外する。
遺伝子検査で『JAK2V617F変異陽性(95%以上)』を証明する。骨髄検査では細胞の過形成(panmyelosis)を認める。
治療方針
血栓症の予防(致死的な合併症を防ぐこと)が最大の目標となる。
第一選択は『瀉血(しゃけつ:定期的に静脈から血液を抜く)』であり、目標Ht値を45%未満に維持する。
並行して血栓予防のために『低用量アスピリン(抗血小板薬)』を投与する。
高齢者や血栓症の既往があるハイリスク患者、あるいは瀉血のコントロールが不良な場合には、細胞増殖を抑える『ヒドロキシカルバミド(代謝拮抗薬)』を使用する。
病態
骨髄の造血幹細胞に生じた後天的なJAK2遺伝子変異により、赤血球がブレーキなしに作られ続ける。血がドロドロになり(過粘稠度症候群)、血管が詰まりやすくなる。
試験・臨床での重要ポイント
「中高年」が「顔面紅潮(赤ら顔)」を呈し、「お風呂上がりに全身がチクチク痒くなる(入浴後そう痒症)」と訴えるエピソードが超定番。また、脳梗塞や心筋梗塞などの『血栓症』や『脾腫』を合併しやすい。
最大のポイントは『2次性赤血球増加症(喫煙、睡眠時無呼吸症候群、腎細胞癌などによるもの)』との鑑別である。真性多血症では司令塔である『血清エリスロポエチン(EPO)が低下』している(勝手に血が作られるためフィードバックで抑制される)のが絶対暗記キーワード。白血球や血小板も同時に増加(汎血球増加)することが多い。
覚え方・コツ
「真性多血症は『顔が真っ赤な血栓メーカー』!血がドロドロになって詰まる。お風呂上がりの痒み(白血球の一種からヒスタミンが出るため)が特徴。JAK2の暴走で勝手に血を作るから、造血の指示を出す『EPO(エリスロポエチン)は低い』のが2次性との最大の違い!治療はシンプルに『血を抜く(瀉血)』!」
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白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。