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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、慢性的な無排卵、高アンドロゲン血症、卵巣の多嚢胞性変化を特徴とする内分泌疾患である。月経異常(無月経や稀発月経)、不妊症、肥満、多毛を主訴とする。CBTや医師国家試験では、特異的なホルモン値の異常(LH高値・FSH正常)や、挙児希望の有無による治療法の選択が毎年問われる超頻出疾患である。
月経異常(稀発月経、無月経など。慢性無排卵による)
不妊症
高アンドロゲン血症の症状(多毛、にきび、低音化など。※日本人では欧米に比べると多毛は目立たないことも多い)
肥満(特に内臓脂肪型肥満。※非肥満のPCOS患者も存在する)
※無排卵によるエストロゲン曝露が長期化するため、将来的な子宮体癌のリスクが高い。
初期評価
若年女性の月経不順や不妊の訴え、肥満・多毛などの身体所見から疑う。
検査
血液検査(ホルモン検査)で、「LH基礎値の上昇(LH ≧ FSH)」、「血中テストステロン値の上昇」、および卵巣の予備能を示す「AMH(抗ミュラー管ホルモン)の著明な高値」を確認する。血糖値とインスリン値も測定し、インスリン抵抗性(HOMA-IR高値など)を評価する。経腟超音波検査で、卵巣の腫大と「多嚢胞性変化(1つの断面に2〜9mmの小卵胞が10個以上存在、またはネックレスサイン)」を確認する。
鑑別
他の排卵障害や高アンドロゲン血症を来す疾患:先天性副腎皮質過形成(21-水酸化酵素欠乏症など)、クッシング症候群、アンドロゲン産生腫瘍、高プロラクチン血症、体重減少性無月経と鑑別する。
初期対応
肥満を伴う患者に対しては、まず「食事療法と運動療法による減量」を指導する。数%の減量で排卵が再開することも多い。
挙児希望が【ある】場合(不妊治療)
第一選択は、排卵誘発剤である「クロミフェン」または「レトロゾール(アロマターゼ阻害薬)」の内服である。効果不十分な場合は、ゴナドトロピン療法(FSH/hMG-hCG療法:卵巣過剰刺激症候群に注意)や、腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD:レーザーで卵巣に穴を開ける)を検討する。インスリン抵抗性がある場合は「メトホルミン」を併用する。
挙児希望が【ない】場合
月経周期の整正と子宮体癌の予防、および多毛・にきびの改善を目的として、「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP/OC)」を投与する。または、定期的にゲスターゲン(黄体ホルモン)を投与して消退出血を起こさせる(ホルムストローム療法)。
病態
視床下部からのGnRHの分泌パルス異常により、下垂体からのLH分泌が過剰となり、FSH分泌が相対的に低下する(LH > FSH)。過剰なLHは卵巣の莢膜細胞を刺激してアンドロゲン産生を亢進させる。一方、FSHが不足するため卵胞は成熟・排卵できず、小卵胞が卵巣内に多数とどまる(多嚢胞性変化)。さらに、末梢でのインスリン抵抗性・高インスリン血症がアンドロゲン産生をさらに増悪させる。
原因
遺伝的素因と環境因子(肥満など)が複合的に関与しているとされる。
試験での重要ポイント
「肥満傾向で毛深い女性の月経異常・不妊」のキーワードがあれば本疾患を強く疑う。検査所見では「LH高値・FSH正常(LH基礎値 ≧ FSH基礎値)」と「テストステロン高値」が超頻出。経腟超音波検査での、多数の小卵胞が卵巣の辺縁に沿って並ぶ「ネックレスサイン(necklace sign)」は画像問題の定番である。また、インスリン抵抗性を合併しやすいため耐糖能異常の評価が必要な点や、挙児希望の有無によって治療方針(クロミフェン vs 低用量ピル)が明確に分かれる点も最重要。
覚え方・コツ
「PCOSは、P(ぽっちゃり:肥満)、C(毛深い:高アンドロゲン)、O(多い:LH>FSH、卵胞多い)、S(シュガー:インスリン抵抗性)。エコーで真珠のネックレス」と覚える。
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卵巣がんは、卵巣の表層上皮から発生する悪性腫瘍である。初期症状に乏しく、腹水や腹部膨満感を契機に進行期で発見されることが多いため「サイレントキラー」と呼ばれる。CBTや国試では、4つの主要組織型(漿液性、明細胞、粘液性、類内膜)の特徴、腫瘍マーカーCA125、および腫瘍減量術とTC療法が超頻出である。
産褥熱は、分娩後24時間以降から産後10日以内の期間に、2日以上続く38℃以上の発熱をきたす感染症の総称である。大多数は子宮内感染(子宮内膜炎)に起因する。CBTや国試では、悪露の悪臭や子宮の圧痛といった子宮内膜炎のサインと、広域抗菌薬による治療が頻出である。
子宮筋腫は、子宮筋層の平滑筋から発生する良性腫瘍であり、女性骨盤内腫瘍で最も頻度が高い。エストロゲン依存性で増大し、粘膜下・筋層内・漿膜下に分類される。CBTや医師国家試験では、過多月経と鉄欠乏性貧血(特に粘膜下)、MRIでのT2低信号、およびGnRHアゴニストを用いた偽閉経療法が頻出の重要疾患である。
子宮破裂と羊水塞栓症は、分娩中から分娩直後に突然発症し、母児の生命を脅かす極めて重篤な産科的救急疾患である。CBTや国試では、既往帝王切開などのリスクと激痛・陣痛消失を伴う子宮破裂、および突然の呼吸困難と致死的なDICをきたす羊水塞栓症の鑑別・対応が超頻出である。