医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
褥瘡は、長時間の圧迫により皮膚や皮下組織の血流が阻害され、虚血性壊死に陥る状態である。寝たきりの高齢者に好発する。リハビリ・看護分野でのニーズが極めて高く、国試では好発部位(仙骨部など)や、状態評価ツール「DESIGN-R」を用いたアセスメント、および病期(黒・黄・赤・白)に応じた外用薬・ケアの選択が超頻出である。
発赤・紅斑(初期:圧迫を除いても消退しない発赤。深部組織損傷:DTIのサインに注意)
水疱、びらん・浅い潰瘍(真皮までの欠損)
深い潰瘍(皮下脂肪、筋肉、骨に達する欠損。黒色の壊死組織(エスカー)や黄色の不良肉芽を伴う)
ポケット形成(皮膚の下に空洞ができる)
悪臭・多量の浸出液・発熱(感染を伴う場合。敗血症の起点になり得る)
初期評価
骨突出部の皮膚状態を視診・触診し、消退しない発赤や皮膚欠損がないか確認する。全身の栄養状態(血清アルブミン値など)や関節拘縮の有無も評価する。
検査
創部の細菌培養検査(感染が疑われる場合)、血液検査(低栄養、貧血、炎症反応の評価)、X線やMRI検査(深部潰瘍で骨髄炎の合併が疑われる場合)。評価ツールとして『DESIGN-R』を用いて定期的にアセスメントを行い、治癒の経過を記録する。
鑑別
失禁関連皮膚炎(IAD:おむつかぶれ。圧迫とは無関係に尿や便の接触部である臀部裂や大腿内側に生じるびらん)、スキンテア(摩擦やずれによる高齢者の脆弱な皮膚の裂傷)と鑑別し、適切なケアを選択する。
初期対応・予防(最重要)
『除圧』がすべての基本である。体圧分散寝具(エアマットレスなど)の導入、2時間ごとの適切な体位変換(30度側臥位などが有効)、摩擦・ずれの軽減(スライディングシートの使用)、スキンケア(清潔保持と保湿)、および栄養状態の改善(高カロリー・高タンパク食、亜鉛の補充)を多職種連携で行う。
根本治療(局所療法)
病期に応じた治療を行う。
【黒色期・黄色期(壊死・感染)】外科的デブリードマンや、壊死組織を溶かす外用薬(ブロメライン軟膏、ヨウ素系軟膏で感染制御)を使用する。
【赤色期(肉芽形成期)】肉芽形成を促進し、創部を適度な湿潤環境に保つ外用薬(プロスタグランジン製剤、b-FGF製剤、トラフェルミンなど)や創傷被覆材(ハイドロコロイドなど)を使用する。
【白色期(上皮化期)】上皮化を促す外用薬やワセリンで保護する。難治性で深いポケットを伴う場合は、陰圧閉鎖療法(NPWT)や皮弁形成術などの外科的治療を検討する。
病態
骨突出部への持続的な圧迫と剪断力(ずれ)によって微小血管が閉塞し、組織が虚血・壊死する。
原因
自力での体位変換が困難な状態(寝たきり、脊髄損傷、意識障害など)に、低栄養、湿潤(失禁や発汗)、摩擦・ずれなどの外的・内的因子が複合して発症する。
評価・分類
深さによる分類(NPUAP分類など)や、日本独自の褥瘡経過評価用ツールである『DESIGN-R(D:深さ、E:滲出液、S:サイズ、I:炎症・感染、G:肉芽組織、N:壊死組織、P:ポケット)』を用いて重症度を数値化する。
試験での重要ポイント
仰臥位(あおむけ)での好発部位である『仙骨部』『踵部(かかと)』『後頭部』や、側臥位(横向き)での『大転子部』『外果部(外くるぶし)』が絶対暗記項目である。また、治癒過程に応じたケアが頻出。壊死組織がある【黒色期・黄色期】は『デブリードマン(壊死組織の除去)』と感染制御、肉芽が上がる【赤色期】は『湿潤環境の保持と肉芽形成促進』を行う。予防として『2時間ごとの体位変換』と『体圧分散マットレスの使用』が最重要である。
覚え方・コツ
「褥瘡は仙骨とカカトに注意(骨が出っ張る所)。予防は2時間ごとの寝返りとエアマット!評価はDESIGN-R(デザインアール)。黒いカサブタ(壊死)は溶かして取り、赤い肉芽は湿らせて育てろ!」
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。