医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
尋常性乾癬は、銀白色の厚い鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑が全身に多発する慢性の炎症性角化症である。機械的刺激を受けやすい部位(頭部、肘、膝)に好発し、CBTや医師国家試験では、Auspitz現象やKöbner現象、メタボリックシンドロームとの合併、およびビタミンD3外用薬や生物学的製剤などの治療法が頻出の重要疾患である。
境界明瞭な紅斑(赤み)
銀白色の厚い鱗屑(フケのようなカサブタ)
そう痒感(約半数の患者でみられる)
爪の変形(点状陥凹、爪甲剥離など。関節炎合併例で多い)
好発部位:頭部、肘頭、膝蓋、仙骨部、下腿伸側(機械的刺激を受けやすい部位)
初期評価
特徴的な皮疹(銀白色鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑)の分布から臨床的に診断する。Auspitz現象やKöbner現象の有無を確認する。関節痛(DIP関節など)がないかどうかも必ず問診する。
検査
多くは臨床所見で診断可能だが、非典型例では皮膚生検を行う。病理組織では「不全角化(核が残ったまま角化する)」、「表皮突起の規則的な延長」、「真皮乳頭の延長と毛細血管の拡張」、「Munro微小膿瘍(角層内の好中球の集簇)」を確認する。
鑑別
鑑別でよく出るのは「脂漏性皮膚炎(好発部位が鼻翼基部など皮脂の多い場所、鱗屑が黄色で薄い、マラセチア関与)」や「体部白癬(真菌検査陽性、辺縁隆起性)」、「アトピー性皮膚炎(境界不明瞭、屈側優位)」、「類乾癬」である。
初期対応
軽症〜中等症の基本治療は「外用療法」である。炎症を抑える「副腎皮質ステロイド外用薬」と、表皮細胞の異常増殖を抑える「活性型ビタミンD3外用薬」を併用する(配合剤もよく用いられる)。
根本治療
外用薬で効果不十分な場合や皮疹が広範囲な場合は、「光線療法(ナローバンドUVBなど)」や「内服療法(PDE4阻害薬のアプレミラスト、免疫抑制薬のシクロスポリンなど)」を追加する。重症例や乾癬性関節炎を合併する例には、早期から「生物学的製剤(TNF-α阻害薬、IL-17阻害薬、IL-23阻害薬)」を導入して劇的な改善を図る。
病態
免疫異常(特にIL-23/Th17細胞系)により、表皮細胞の異常増殖(ターンオーバーの著明な短縮)と角化異常(不全角化)、および真皮上層の毛細血管拡張・炎症細胞浸潤をきたす。
原因
遺伝的素因に、環境因子(ストレス、感染、肥満、喫煙、機械的刺激など)が加わって発症する。
分類
乾癬全体の約90%を占める「尋常性乾癬」のほか、関節炎を伴う「乾癬性関節炎(関節症性乾癬)」、溶連菌感染後に小皮疹が多発する「滴状乾癬」、全身が発赤する「乾癬性紅皮症」、無菌性膿疱が多発する「汎発性膿疱性乾癬」に分類される。
試験での重要ポイント
画像問題として「銀白色の厚いカサブタ(鱗屑)を伴う、境界がハッキリした赤い発疹(紅斑)」が出題される。こすれる部位(頭、肘、膝、臀部)にできやすい。鱗屑を無理に剥がすと点状の出血が見られる『Auspitz(アウスピッツ)現象』や、健常な皮膚を引っ掻くとそこに新しい皮疹ができる『Köbner(ケブネル)現象』が絶対暗記キーワードである。また、肥満や糖尿病などの「メタボリックシンドローム」を高率に合併する点も頻出。鑑別でよく出る「脂漏性皮膚炎」や「白癬」とは、好発部位や真菌の有無で区別する。
覚え方・コツ
「乾癬は、こすれる場所(肘・膝・頭)に銀色の厚いカサブタ。剥がすと血が出る(Auspitz現象)、引っ掻くと増える(Köbner現象)。メタボに注意し、治療はステロイドとビタミンD3の合わせ技!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。