クラインフェルター症候群は、男性の性染色体にX染色体が1つ以上過剰に存在する(代表例:47,XXY)先天性の染色体異常である。精巣の発育不全による原発性(高ゴナドトロピン性)性腺機能低下症を来し、長身、小睾丸、女性化乳房、無精子症を特徴とする。CBTや医師国家試験では、ホルモン値の異常パターン(LH・FSH高値、テストステロン低値)やターナー症候群との対比が毎年問われる超頻出疾患である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
身体的特徴(四肢が長く高身長:類宦官様体型、肩幅が狭く骨盤が広い)
女性化乳房(思春期以降に目立つようになる)
第二次性徴の遅れ(陰毛・ひげの減少、声変わりが不完全など)
不妊症(原発性無精子症)
小睾丸(硬くて小さい精巣)
※知能は正常範囲内のことが多いが、軽度の言語発達遅滞や学習障害を伴うことがある。
初期評価
思春期以降の第二次性徴の発現遅延、女性化乳房、あるいは成人期の男性不妊(無精子症)の精査を契機に発見されることが多い。触診でクルミ大以下の小睾丸を確認する。
検査
内分泌検査で「テストステロン低値、LH高値、FSH高値、エストラジオール(E2)軽度高値」を確認する。精液検査で「無精子症」を確認する。口腔粘膜などの細胞診で「バー小体陽性(1個)」となる。確定診断は、染色体検査(Gバンド法)を実施し、「47,XXY」などの核型異常を証明することである。
鑑別
カルマン症候群(嗅覚脱失、LH・FSH低値)、クラインフェルター以外の原発性性腺機能低下症(ムンプス精巣炎後遺症など)、その他の男性不妊症と鑑別する。
初期対応・内科的治療
男性ホルモン不足による症状(筋力低下、骨粗鬆症、性欲低下、抑うつなど)の改善と、第二次性徴を促す目的で「テストステロン補充療法(エナント酸テストステロンの筋肉内注射など)」を思春期以降から生涯にわたり行う。ただし、この治療で精子形成が回復することはない。
不妊治療・外科的治療
自然妊娠は不可能であるが、顕微鏡下精巣内精子採取術(micro-TESE)により精巣内にわずかに残存する精子を回収し、卵細胞質内精子注入法(ICSI:顕微授精)を行うことで児を得られる可能性がある。女性化乳房が著明で精神的苦痛が強い場合は、乳腺摘出術などの美容的外科治療を検討する。
病態
減数分裂時の性染色体の不分離により、男性(XY)にX染色体が過剰に付加される(約80%が47,XXY)。過剰なX染色体の存在により精巣の曲精細管が硝子化し、ライディッヒ細胞の機能も低下するため、精子形成障害(無精子症)と男性ホルモン(テストステロン)分泌低下を来す。
分類
大部分は47,XXYであるが、48,XXXYやモザイク型(46,XY/47,XXY)なども存在する。X染色体が多いほど知的能力障害の合併リスクが高まる。
試験での重要ポイント
「長身(四肢が長い類宦官様体型)、小睾丸、女性化乳房、不妊(無精子症)」の組み合わせがあれば本疾患を強く疑う。ホルモン検査所見は「テストステロン低値、LH・FSH高値(フィードバック機構による)」となるのが超頻出。また、男性であるがX染色体が2つ以上あるため、細胞診で「バー小体(Barr body)陽性」となる点も重要知識である。鑑別でよく出るのは、同じく性染色体異常で低身長・無月経を呈する女性の疾患「ターナー症候群(45,X:バー小体陰性)」や、嗅覚脱失を伴う低ゴナドトロピン性性腺機能低下症である「カルマン症候群」である。
覚え方・コツ
「クラインフェルターはXXY。背が高くて(長身)、オッパイふっくら(女性化乳房)、タマは小さい(小睾丸)。タマがサボるから上が頑張る(テストステロン↓、LH・FSH↑)、男だけどバー小体陽性!」と覚える。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
中枢性尿崩症は、視床下部・下垂体後葉の障害により、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の合成・分泌が低下し、腎臓での水分再吸収ができなくなることで多尿と多飲をきたす疾患である。
甲状腺乳頭癌は、甲状腺悪性腫瘍の大部分(約90%)を占める癌。進行が極めて緩徐で、10年生存率が90%を超えるなど予後は良好だが、若年女性にも発症しやすく、頸部リンパ節転移を高率にきたす。細胞診での「すりガラス状核」が確定診断の鍵となる。
下垂体腺腫は、下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍。ホルモンを過剰分泌する「機能性腺腫」と、分泌しない「非機能性腺腫」がある。機能性の中で最も頻度が高いのがプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)であり、無月経・乳汁漏出症候群をきたす。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。