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原発性骨髄線維症(PMF)は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の一つであり、異常増殖した巨核球から放出されるサイトカインにより骨髄が線維化する疾患である。造血の場を奪われた血液細胞が脾臓や肝臓で造血(髄外造血)を行うため、巨大脾腫と末梢血の涙滴赤血球が特徴である。
腹部症状:巨大脾腫による著明な腹部膨満感、早期満腹感、左季肋部痛。
血球減少(造血不全)による症状:進行性の貧血症状(動悸、息切れ)、易感染性、出血傾向。
全身症状(サイトカイン過剰による):著明な全身倦怠感、盗汗(寝汗)、体重減少、微熱。
進行すると急性白血病へ転化するリスクが高い。
血液検査:貧血、白赤芽球症(芽球や赤芽球の末梢血出現)。末梢血塗抹で『涙滴赤血球』。
骨髄検査:骨髄穿刺は『ドライタップ』となる。確定診断のため『骨髄生検』を行い、網内線維(レチクリン線維)の著明な増生を確認する。
遺伝子検査:JAK2 V617F、CALR、MPLのいずれかの変異を証明する。
治癒を目指す治療:若年者で移植適応がある場合は『同種造血幹細胞移植』が唯一の根治治療となる。
薬物療法(対症療法):巨大脾腫や強い全身症状(盗汗など)に対しては、JAK1/2阻害薬である『ルキソリチニブ』が第一選択となり、脾腫縮小とQOL改善に著効する。貧血に対しては輸血、タンパク同化ホルモン等を用いる。
病態
JAK2 V617F変異などの遺伝子異常により巨核球が異常増殖し、そこから放出されるTGF-βやPDGFなどのサイトカインが線維芽細胞を刺激して、骨髄内にレチクリン線維やコラーゲンが過剰沈着する。骨髄がカチカチに硬くなるため、肝・脾での代償的な髄外造血が起こる。
試験・臨床での重要ポイント
骨髄穿刺を行っても骨髄液が引けない『ドライタップ(dry tap)』が最重要キーワード。確定診断には骨を削り取る『骨髄生検』が必要。
末梢血塗抹標本では、線維化した骨髄や肥大した脾臓を無理やり通り抜ける際に変形した『涙滴赤血球(teardrop cell)』と、未熟な芽球と赤芽球が末梢血に漏れ出る『白赤芽球症(leukoerythroblastosis)』がみられる。脾臓は骨盤腔に達するほどの『巨大脾腫(巨脾)』となる。
覚え方・コツ
「骨髄線維症は『骨髄がカチカチになって脾臓が造血工場になる』病気!骨髄に針を刺しても引けない(ドライタップ)から、生検(骨をかじる)が必要。末梢血には、骨髄を必死に絞り出されて変形した『涙滴赤血球(涙の形)』と、未熟な赤ちゃんと子供の細胞(白赤芽球症)が溢れ出る。お腹は巨大脾腫でパンパンになる!」
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白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。