医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
骨粗鬆症は、骨量(骨密度)の減少と骨微細構造の劣化により骨がもろくなり、骨折リスクが増大する疾患である。閉経によるエストロゲン低下や加齢が主な原因(原発性)である。CBTや医師国家試験では、4大骨折部位(椎体、大腿骨近位、橈骨遠位、上腕骨近位)、DXA法による診断基準(YAM 70%以下)、および多彩な骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート、抗RANKL抗体、PTH製剤など)の作用機序の使い分けが超頻出である。
無症状(骨折を起こすまでは原則として無症状であるため「沈黙の疾患」と呼ばれる)
背部痛、腰痛(椎体骨折による)
円背(背中が丸くなる、亀背)、身長の低下(複数の椎体が圧迫骨折で潰れることによる)
歩行困難(大腿骨近位部骨折による)
初期評価
高齢者の腰背部痛や、軽微な外傷後の骨折から疑う。身長が若い頃より2cm以上縮んでいる場合は椎体骨折を強く疑う。
検査
骨密度測定:DXA(デキサ)法を用いて、腰椎(L1-L4)または大腿骨近位部の骨密度を測定し、YAM(Young Adult Mean:20〜44歳健常者の平均値)と比較する(YAM≦70%で骨粗鬆症と診断)。
X線検査:胸腰椎の側面像で、既存の圧迫骨折(楔状変形、魚椎変形など)の有無を確認する。
血液・尿検査(骨代謝マーカー):骨吸収マーカー(TRACP-5b、NTXなど)や骨形成マーカー(P1NP、BAPなど)を測定し、薬の治療効果判定に用いる。
鑑別
骨軟化症(ビタミンD欠乏などによる石灰化障害。骨粗鬆症とは異なり類骨が増加する)、多発性骨髄瘤、がんの骨転移、副甲状腺機能亢進症と鑑別する。
生活指導
食事療法(カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの摂取。※ワーファリン内服中患者へのビタミンK投与は禁忌)、適度な荷重運動(骨芽細胞を刺激する)、転倒防止環境の整備。
薬物療法(骨折リスクに応じて選択)
骨吸収抑制薬(破骨細胞を抑える):
ビスホスホネート製剤(アレンドロン酸など。第一選択)
抗RANKL抗体(デノスマブ。半年に1回皮下注、低Ca血症に注意)
SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター:ラロキシフェンなど。乳腺や子宮には拮抗し、骨にはエストロゲン様に働く。副作用は静脈血栓塞栓症:DVT)
骨形成促進薬(骨芽細胞を刺激する):
PTH(副甲状腺ホルモン)製剤(テリパラチド。重症例に使用。使用期間は一生のうち24ヶ月まで)
両方の作用を持つ薬:
抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ)
病態
健康な骨では、破骨細胞による「骨吸収(破壊)」と骨芽細胞による「骨形成(造骨)」のバランスが保たれている(骨リモデリング)。しかし、閉経によるエストロゲン欠乏(エストロゲンは破骨細胞の働きを抑える)や加齢、ステロイドの長期内服などにより、骨吸収が骨形成を上回るようになると、骨の内部がスカスカ(海綿骨の断裂)になり強度が低下する。
試験での重要ポイント
「軽微な外力(立った高さからの転倒など)での骨折」を脆弱性骨折と呼ぶ。骨粗鬆症による4大骨折部位として、「脊椎椎体骨折(胸腰椎移行部に多い、尻餅をつく)」「大腿骨近位部骨折(転倒)」「橈骨遠位端骨折(Colles骨折:手をついて転ぶ)」「上腕骨近位部骨折」は絶対暗記。診断基準として「脆弱性骨折がある」、または「DXA法による骨密度(腰椎または大腿骨)が若年成人平均値(YAM)の70%以下、またはTスコア≦-2.5 SD」である点が重要。治療薬の機序も頻出であり、ビスホスホネート製剤の内服方法(起床時・水で服用・30分横にならない)や顎骨壊死(MRONJ)のリスク、デノスマブによる低カルシウム血症の副作用が狙われる。
覚え方・コツ
「骨粗鬆症は、閉経ミセス(エストロゲン↓)のスカスカ骨。折れやすいのは『手(橈骨)腕(上腕骨)腰(椎体)足(大腿骨)』。診断はYAM70%以下。薬は『壊すの止める(ビスホ・デノスマブ・SERM)』か『新しく造る(テリパラチド)』の二刀流!」と覚える。
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抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。