最終更新日: 2026年4月23日
Asherman症候群は、人工妊娠中絶や流産手術などによる過度な子宮内膜掻爬によって子宮内膜の基底層が破壊され、子宮腔内に癒着が生じる疾患である。子宮性無月経や続発性不妊の代表的な原因となる。
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無月経(続発性無月経)、過少月経
不妊症(受精卵の着床障害による続発性不妊)
不育症(習慣流産)
下腹部痛、月経困難症(癒着によって少量の経血が排出できずに逆流するため)
初期評価
子宮内掻爬術(中絶、流産など)の既往と、その後の無月経・過少月経の病歴から強く疑う。
検査
基礎体温は二相性(卵巣機能は正常に排卵しているため)を示す。エストロゲン・プロゲステロン(E+P)負荷試験で『消退出血陰性』を確認し、子宮性無月経と診断する。子宮卵管造影検査(HSG)で子宮腔内の『不規則な陰影欠損(癒着部)』を確認する。確定診断は『子宮鏡検査』であり、直視下に癒着を証明する。
治療方針
癒着を解除し、正常な子宮腔を再構築するため、『子宮鏡下子宮腔癒着剥離術』を行う。術後は再癒着を防ぐことが極めて重要であり、子宮腔内にIUD(子宮内避妊器具)やバルーンカテーテルを一定期間留置する。同時に、内膜の再生を促すためにエストロゲン・プロゲステロンのホルモン補充療法(カウフマン療法)を行う。
病態
正常な月経は、子宮内膜の「基底層」から「機能層」が増殖・剥離することで起こる。中絶手術や流産の手術、重症の子宮内感染などで基底層まで深く物理的にえぐり取られてしまうと、内膜が再生できなくなり、子宮の壁同士がくっついてしまう(子宮腔の癒着)。
試験・臨床での重要ポイント
「人工妊娠中絶」や「流産の手術」の既往がある女性が、「術後から月経がこなくなった(無月経)」、あるいは「量が極端に減った(過少月経)」、および「妊娠できなくなった(続発性不妊)」と訴えるエピソードが超定番。無月経の鑑別において、エストロゲンとプロゲステロンの両方を投与する『ホルモン負荷試験(カウフマン療法)』を行っても、内膜がないため『出血(消退出血)が起きない(=第1度無月経ではなく、子宮性無月経であると確定する)』のが絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「アシャーマンは『子宮の内側が傷だらけでくっついた(癒着)』状態!中絶手術の後遺症で多い。内膜がないから生理が来ないし(無月経)、受精卵も着床できない(不妊)。ホルモン注射を打っても内膜がないから血が出ない(子宮性無月経)!治療はカメラで見ながら癒着を切り離す!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。