医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
微弱陣痛および回旋異常は、分娩進行(パルトグラム)の遅延や停止をきたす代表的な異常である。CBTや国試では、パルトグラムの読み取り、オキシトシン等による陣痛促進の適応、および低在横定位などに対する吸引・鉗子分娩の基準が頻出の重要テーマである。
分娩の遷延(第1期、第2期の長引く経過)
微弱陣痛:陣痛周期が長い、持続時間が短い、子宮の硬さが不十分
回旋異常:内診で矢状縫合の向きが横を向いている(低在横定位)、大泉門を触知する(反屈位)など
母体の疲労、脱水
初期評価
パルトグラム(分娩曲線)を用いて、Friedman曲線の異常(潜伏期遷延、活動期遅延、第2期遷延など)を評価する。
検査
内診で子宮口開大度、児頭下降度(SP)、胎勢(大泉門・小泉門・矢状縫合の触知)を確認する。超音波検査で胎児の向きを確認することもある。CTG(胎児心拍数陣痛図)で陣痛の強さと胎児のwell-being(胎児機能不全の有無)を持続的にモニタリングする。
治療方針
【微弱陣痛】CPDや胎児機能不全がなければ、休息・輸液の後に「陣痛促進薬(オキシトシン、PGF2α)」を使用する。※PGE2は内服薬のみ。
【回旋異常・分娩停止】適応条件(子宮口全開大、破水済み、SP+2以下)を満たせば「吸引分娩」や「鉗子分娩」の急速遂行を行う。条件を満たさない、または胎児機能不全が切迫している場合は「緊急帝王切開」を行う。
病態
【微弱陣痛】:子宮収縮の強さ、持続、頻度が弱く、分娩の進行に不十分な状態。最初から弱い「原発性」と、疲労などで途中から弱まる「続発性」がある。
【回旋異常】:骨盤の形や児頭の大きさの不均衡などにより、胎児が産道を通過するための正常な回旋(第1〜第4回旋)が行われない状態。第2回旋(横向きから縦向きになる)が途中で止まる『低在横定位』や、第1回旋(顎を引く)ができない『反屈位』などがある。
試験での重要ポイント
分娩監視装置(パルトグラム)で「子宮口開大度」や「児頭下降度(SP)」のグラフが右に寝てきたら(分娩遷延・停止)疑う。
微弱陣痛に対しては、母児の全身状態が良好(胎児機能不全がない、CPDがない)であれば『陣痛促進薬(オキシトシン、プロスタグランジンF2α)』の点滴静注を行う(※過強陣痛や子宮破裂のリスクがあるため厳重監視が必要)。
回旋異常(特に低在横定位)で分娩第2期が遷延し、児頭が骨盤底(SP+2以下)まで下降していれば『吸引分娩』または『鉗子分娩』の適応となる。下降していない場合やCPD(児頭骨盤不均衡)がある場合は『緊急帝王切開』となる。
覚え方・コツ
「お産が長引いたらパルトグラムを確認。陣痛が弱ければオキシトシンで応援。赤ちゃんが横を向いたまま降りてこない(低在横定位)なら、下まで来ていれば吸引、上で引っかかっていれば帝王切開!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。