医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
レーザー・トレラ徴候は、短期間のうちに、体幹を中心に「かゆみを伴う脂漏性角化症(老人性イボ)」が急激に多発する現象である。胃癌をはじめとする内臓悪性腫瘍のデルマドローム(皮膚のサイン)として国試で超頻出である。
短期間(数週間〜数ヶ月)での脂漏性角化症(黒褐色〜茶褐色のざらざらした隆起性病変)の急激な多発・増大。
体幹(特に背部や前胸部)に好発する。
強いそう痒感(かゆみ)を伴うことが多い。
黒色表皮腫(頸部や腋窩の黒ずみ・肥厚)を合併することがある。
初期評価
イボの急激な多発とそう痒を訴える患者に対し、デルマドロームを疑う。
検査
直ちに上部・下部消化管内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)、胸腹部CT、腫瘍マーカー測定などを行い、隠れた内臓悪性腫瘍(胃腺癌、結腸癌、乳癌、肺癌など)を検索することが絶対的に優先される。
治療方針
イボそのものへの治療(凍結療法や切除など)よりも、背景にある『悪性腫瘍の発見と治療』が根本治療である。悪性腫瘍が切除・治療されれば、皮膚病変やそう痒も縮小・消退することがある。
病態
内臓の悪性腫瘍から分泌される増殖因子(TGF-αやEGFなど)が、血流に乗って皮膚に到達し、表皮細胞の増殖を過剰に刺激することで、脂漏性角化症を急激に多発・増大させると考えられている。
試験での重要ポイント
単なる脂漏性角化症は良性の加齢変化であるが、『短期間(数週間〜数ヶ月)での急激な多発』と『激しいそう痒(かゆみ)』の組み合わせが出たら、直ちに「内臓悪性腫瘍」を疑うべきであるという『デルマドローム(皮膚病変から内臓病変を推測するサイン)』の代表格。関連する悪性腫瘍は『胃腺癌』などの消化器癌が最多。皮膚のシワが深く黒ずむ「黒色表皮腫(悪性型)」を合併することもある。
覚え方・コツ
「レーザー・トレラ徴候は、背中や胸に茶色いイボ(脂漏性角化症)が急にボコボコ増えてかゆくなるサイン。イボの異常繁殖は、お腹の中のガン(特に胃がん)が出す増殖ホルモンのせい!イボを見たら胃カメラ(内臓悪性腫瘍の検索)をしろ!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。