シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺などの外分泌腺にリンパ球が浸潤し、乾燥症状(ドライアイ、ドライマウス)をきたす自己免疫疾患である。中年女性に好発し、抗SS-A/SS-B抗体陽性が特徴。CBTや医師国家試験では、特異的な検査(シルマー試験やガム試験)や、悪性リンパ腫・環状紅斑の合併が頻出の重要疾患である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
ドライアイ(眼の乾燥、異物感、羞明)
ドライマウス(口の乾燥、う歯の増加、味覚異常、唾液腺腫脹)
関節痛(非びらん性)
環状紅斑(抗SS-A抗体陽性例でみられるドーナツ状の皮疹)
息切れ、空咳(間質性肺炎の合併)
初期評価
眼や口の乾燥症状を訴える中年女性で強く疑う。関節リウマチやSLEなどの膠原病の既往も確認する。
検査
血液検査で「抗SS-A抗体」および「抗SS-B抗体」の陽性を確認する。眼科的検査として「シルマー試験(5mm/5分以下で異常)」やローズベンガル染色試験を行う。口腔内検査として「ガム試験(10mL/10分以下で異常)」やサクソン試験を行う。さらに、唾液腺造影(アップルツリーサイン)や口唇腺生検(リンパ球浸潤)で確定診断とする。
鑑別
鑑別でよく出るのは「IgG4関連疾患(Mikulicz病など)」である。IgG4関連疾患は涙腺・唾液腺が著明に腫脹するが乾燥症状は乏しく、IgG4高値を示しステロイドが著効する点で鑑別できる。その他、加齢や薬剤性(抗コリン薬など)による乾燥症状を除外する。
初期対応
乾燥症状に対する対症療法が基本となる。ドライアイには人工涙液や精製ヒアルロン酸の点眼、ドライマウスには人工唾液や唾液分泌促進薬(ムスカリン受容体作動薬:セビメリン、ピロカルピンなど)を投与する。
根本治療
重篤な臓器病変(間質性肺炎、糸球体腎炎、多発単神経炎など)を合併した場合は、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬の全身投与を行う。根治治療はないため対症療法を継続しつつ、悪性リンパ腫の発症リスクが高いため、定期的な画像検査や触診によるフォローアップが重要である。
病態
涙腺や唾液腺などの外分泌腺に対する自己免疫応答により、単核球(主にCD4陽性T細胞)が浸潤し、腺組織が破壊されて分泌低下(乾燥症状)をきたす。
原因
自己免疫異常が原因であり、抗SS-A抗体(Ro抗体)および抗SS-B抗体(La抗体)が高頻度で陽性となる。関節リウマチなどに合併する「二次性」と、単独で発症する「一次性」がある。
分類
一次性シェーグレン症候群と、他の自己免疫疾患(関節リウマチ、SLE、強皮症など)に合併する二次性シェーグレン症候群に大別される。
試験での重要ポイント
中年女性の「眼の乾燥(ドライアイ)」と「口の乾燥(ドライマウス)」があればこの疾患を疑う。検査では、涙液分泌を測る「シルマー試験」、唾液分泌を測る「ガム試験」、眼表面の障害をみる「ローズベンガル試験」が超頻出である。また、合併症として「悪性リンパ腫」、「遠位尿細管性アシドーシス(RTA)」、「環状紅斑」が出やすい。抗SS-A抗体陽性の妊婦から出生した児の「新生児ループス(先天性完全房室ブロックなど)」は産婦人科・小児科分野で絶対暗記項目である。
覚え方・コツ
「シェーグレンは、涙と唾液が枯れる中年女性。SS-A/B抗体が陽性。ガムを噛ませて(ガム試験)、紙を目に挟む(シルマー試験)。リンパ腫と赤ちゃんの心ブロックに注意!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。