好酸球性肺炎は、感染症ではなくアレルギー反応の一種として肺胞や間質に好酸球が著明に浸潤する疾患である。喫煙開始直後の若年男性に多い「急性(AEP)」と、気管支喘息を持つ中高年女性に多い「慢性(CEP)」に大別され、どちらもステロイドが劇的に著効する。
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急性(AEP):数日以内の急激な発熱、乾性咳嗽、激しい呼吸困難(重度の低酸素血症)。
慢性(CEP):数週間〜数ヶ月続く微熱、咳嗽、喘鳴(喘息発作)、体重減少、寝汗。
気管支肺胞洗浄(BAL):AEP、CEPともにBAL液中の『好酸球分画の著明な上昇(通常25%以上)』が確定診断となる。
血液検査:CEPでは末梢血好酸球の著増(>1,000/μL)、IgE上昇。AEPでは発症初期は末梢血好酸球が正常なことが多い。
画像診断(CEP):肺野末梢(胸膜直下)優位の浸潤影(写真のネガ像:心不全の蝶形陰影の逆パターン)。
治療方針:どちらの型も『副腎皮質ステロイド』が魔法のように劇的に効く(著効)。
急性(AEP)の場合、重症の呼吸不全で人工呼吸器が必要な状態でも、ステロイドパルス療法を行うと数日で劇的に改善し、再発も稀である。
慢性(CEP)の場合、ステロイド内服で速やかに改善するが、減量・中止すると高率に再発するため、年単位での維持療法が必要となることが多い。
病態
何らかの抗原(タバコの煙など)に対する過剰な免疫応答により、好酸球が肺に集簇し、組織障害を引き起こす。
急性好酸球性肺炎(AEP)
『初めてタバコを吸い始めた若者』に発症することが多い。数日単位で急速にARDS(急性呼吸窮迫症候群)様の重篤な呼吸不全をきたす。血液中の好酸球は上昇しないことが多いが、気管支肺胞洗浄(BAL)液中で好酸球が急増(>25%)しているのが診断の鍵。
慢性好酸球性肺炎(CEP)
『気管支喘息を持つ中年女性』に多い。数週間〜数ヶ月単位で乾性咳嗽や微熱が続く。血液中の好酸球も著増する。胸部X線で、肺の辺縁(外側)に沿って浸潤影が広がる『写真のネガ像(photographic negative of pulmonary edema)』を呈するのが超頻出キーワード。
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肺胞出血症候群は、肺胞内の毛細血管が破壊され、広範な肺胞内出血をきたす病態の総称。「喀血」「進行性の貧血」「胸部X線でのびまん性浸潤影」の三徴を呈し、ANCA関連血管炎やGoodpasture症候群などの自己免疫疾患が主な原因となる。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。