リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)は、B細胞から形質細胞への分化段階にある「リンパ形質細胞」が異常増殖する低悪性度リンパ腫。大部分がIgM型のM蛋白を大量に産生し、これを原発性マクログロブリン血症(WM)と呼ぶ。血液がドロドロになる「過粘稠度症候群」が特徴的である。
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過粘稠度症候群による症状:頭痛、めまい、視力障害(眼底の静脈怒張・出血)、難聴、鼻出血や歯肉出血(止血異常)。
腫瘍細胞の浸潤による症状:無痛性リンパ節腫脹、肝脾腫、貧血症状。
その他:クリオグロブリン血症による寒冷曝露時のレイノー現象、末梢神経障害。
血液検査:血清蛋白分画にてM蛋白(IgM-κ型など)のピーク(Mピーク)を証明。IgMの著増。過粘稠度(血清粘度の上昇)の確認。
骨髄検査:骨髄やリンパ節における『リンパ形質細胞』の増生。※形質細胞単独の増殖ではない。
遺伝子検査:MYD88変異(>90%で陽性)。
無症状の場合は無治療で経過観察(watch and wait)。
過粘稠度症候群による切迫した症状(視力障害や中枢神経症状)がある場合は、直ちに『血漿交換(plasmapheresis)』を行って血中のIgMを物理的に除去する。
腫瘍自体に対する全身治療として、リツキシマブ(抗CD20抗体)単独、または化学療法との併用。近年はBTK阻害薬(イブルチニブ等)も使用される。
病態
骨髄やリンパ節でリンパ形質細胞(lymphoplasmacytoid cell)が腫瘍性に増殖する。多発性骨髄腫(MM)が完全に分化した「形質細胞」の腫瘍であるのに対し、LPLは一歩手前の細胞の腫瘍である。巨大な五量体分子(ペンタマー)であるIgMが血中に大量に分泌されるため、血漿の粘度が著しく上昇する。
試験・臨床での重要ポイント
MMとの鑑別が超頻出。WMでは『IgM』が産生されるのが最大の特徴(MMはIgGやIgAが多い)。IgMの分子量が大きいため『過粘稠度症候群(視力障害、頭痛、鼻出血など)』をきたしやすい。MMと異なり、骨を破壊する機能を持たないため『溶骨性病変(骨抜き打ち像)や高カルシウム血症はみられない』こと、そして『リンパ節腫脹や肝脾腫を伴う(MMでは稀)』ことが重要な鑑別点。遺伝子変異として『MYD88 L265P』が高頻度にみられる。
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クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。