医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
掌蹠膿疱症は、手掌と足底に無菌性の小膿疱が多発する慢性の難治性皮膚疾患である。喫煙や扁桃炎、歯科金属アレルギーなどが悪化因子となる。CBTや医師国家試験では、病変が無菌性であること、胸肋鎖骨関節炎の合併、喫煙との強い関連、扁桃摘出術の有効性が頻出の重要疾患である。
無菌性膿疱(手掌、足底の土踏まず・踵部に好発。黄色〜褐色のカサブタになる)
紅斑、落屑、軽度のそう痒感
胸肋鎖骨関節炎(前胸部の激痛、腫脹、肩の運動制限・運動時痛を伴う)
爪の変形(点状陥凹、肥厚、混濁)
初期評価
手足の裏の膿疱という臨床所見に加え、喫煙歴、齲歯や慢性扁桃炎の有無、前胸部痛(鎖骨や胸骨の痛み)の有無を詳細に問診する。
検査
確定診断と白癬(水虫)や細菌感染の除外のために、膿疱内容物の「KOH直接鏡検」および細菌培養検査を行い、『真菌・細菌が陰性(無菌性)』であることを証明する。胸肋鎖骨関節炎を疑う場合は胸部X線や骨シンチグラフィ(牛の角サイン:bull's head sign)を実施する。また、パッチテストで金属アレルギーの有無を確認する。
鑑別
最大の鑑別疾患は「足白癬(水虫)や手の白癬」と「汗疱(異汗性湿疹:水疱主体で膿疱は伴わない)」である。また、全身に膿疱が広がる「汎発性膿疱性乾癬」と鑑別する。
初期対応
生活指導として「完全な禁煙」を強く指導する(喫煙を続けると治療に抵抗性となる)。
根本治療
局所療法として「副腎皮質ステロイド外用薬」や「活性型ビタミンD3外用薬」を使用する。同時に悪化因子の検索・除去が極めて重要であり、耳鼻科・歯科と連携して「扁桃摘出術」や「齲歯・歯周病の治療」、「歯科金属の除去」を行う。外用薬や病巣感染治療で難治な重症例や骨関節炎合併例には、紫外線療法(ナローバンドUVB、PUVA)や、ビタミンA誘導体(エトレチナート)、PDE4阻害薬(アプレミラスト)、生物学的製剤の導入を検討する。
病態
手掌や足底の紅斑上に小水疱が出現し、数日で黄色い無菌性の膿疱となり、その後落屑(皮むけ)となる。このサイクルを慢性・再発性に繰り返す。
原因
明確な原因は不明だが、患者の約80〜90%が「喫煙者」である。また、病巣感染(慢性扁桃炎、齲歯・歯周病・根尖病巣などの歯性感染)や、歯科金属アレルギーに対する免疫応答の異常が関与していると考えられている。
分類
乾癬の類縁疾患に位置づけられることもある。
試験での重要ポイント
画像問題として「手足の裏に多発する黄色い膿疱」が出される。最も問われるのは『無菌性』であり、白癬や細菌感染との鑑別のため、塗抹・培養検査を行っても『菌が見つからない』点が超頻出。骨関節の合併症として、前胸部に激痛を伴う『胸肋鎖骨関節炎(PAO)』が絶対暗記キーワードである。治療・生活指導では『禁煙』が絶対であり、病巣感染が疑われる難治例には『扁桃摘出術(口蓋扁桃摘出術)』が劇的に著効するケースがあることが頻繁に問われる。
覚え方・コツ
「掌蹠膿疱症は、タバコの吸いすぎ(喫煙)で手足に黄色いブツブツ。水虫と違って菌はいない(無菌性)。胸の骨が痛くなり(胸肋鎖骨関節炎)、扁桃腺を取るとスッキリ治る!」
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