医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
子宮内膜症および子宮腺筋症は、子宮内膜様組織が本来の場所以外(卵巣や子宮筋層など)でエストロゲン依存性に増殖・出血を繰り返す疾患である。CBTや国試では、進行する激しい月経困難症、CA125の上昇、MRI(T1高信号/T2 shading)、および卵巣癌(明細胞癌)への悪性化リスクが頻出の重要疾患である。
月経困難症(下腹部痛、腰痛。年齢とともに増強する)
慢性骨盤痛、性交痛、排便痛(ダグラス窩病変や深部子宮内膜症による)
不妊症(癒着による卵管采のピックアップ障害や、炎症性サイトカインの影響)
過多月経(主に子宮腺筋症でみられる)
初期評価
進行する月経困難症や不妊の訴えから疑う。内診でダグラス窩の硬結や圧痛、卵巣の腫大を確認する。
検査
血液検査で「CA125の軽度〜中等度上昇」を確認する。超音波検査でチョコレート嚢胞(すりガラス状の内部エコー)や子宮の腫大を確認する。確定診断と他疾患との鑑別には「骨盤MRI検査」が極めて有用(T1高信号、T2 shading、腺筋症の境界不明瞭な肥厚)。
鑑別
成熟嚢胞性奇形腫(T1高信号だが脂肪抑制で低信号になる)、機能性嚢胞、卵巣癌、子宮筋腫(腺筋症との鑑別)。
薬物療法(保存的治療)
対症療法としてNSAIDsや漢方薬。ホルモン療法(偽妊娠・偽閉経療法)として、「低用量エストロゲン・プロゲスチン(LEP)製剤」、「黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト)」、「GnRHアゴニスト/アンタゴニスト」を用い、排卵を抑制し内膜組織を萎縮させる。
手術療法
挙児希望がある場合は、腹腔鏡下での「チョコレート嚢胞核出術」や「癒着剥離術」を行う。挙児希望がなく症状が重度な場合は、根治術(子宮全摘術+両側付属器切除術)を選択する。癌化リスクの高い嚢胞(40歳以上、4〜5cm以上で急速増大など)は手術による摘出・病理検査を強く推奨する。
病態・分類
【子宮内膜症】:子宮内膜様組織が子宮「外(卵巣、ダグラス窩、腹膜など)」に発生。卵巣に発生し古い血液が貯留したものを「チョコレート嚢胞」と呼ぶ。周囲の臓器(腸管や卵管)と強固な癒着を引き起こし、不妊の原因となる。
【子宮腺筋症】:子宮内膜様組織が子宮「筋層内」に迷入し、子宮全体が肥厚・球状腫大する疾患。過多月経を伴いやすい。
試験での重要ポイント
「20〜40歳代」で、「年々ひどくなる激しい月経痛(月経困難症)」や「不妊症」のエピソードが超定番。血液検査で『腫瘍マーカーCA125が軽度〜中等度上昇』する。画像問題ではMRIが頻出。チョコレート嚢胞は古い出血の塊であるため『T1強調画像で高信号、T2強調画像でshading(黒くグラデーションのように減衰)』を示す。腺筋症はT2で『境界不明瞭な低信号エリア(子宮筋腫は境界明瞭)』を示す。最大の問題は、チョコレート嚢胞(特に40歳以上、4cm以上)が『卵巣癌(明細胞癌、類内膜癌)』の発生母地(悪性化)となる点である。
覚え方・コツ
「内膜症・腺筋症はエストロゲンで生理のたびに悪化する『激しい生理痛』と『不妊』の原因。卵巣にできた血の袋がチョコ嚢胞。古い血だからMRIのT1で白く光り、T2で影(shading)ができる。放っておくと卵巣癌(明細胞癌)に化ける!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。