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巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。
貧血症状:動悸、息切れ、易疲労感。
消化器症状:ハンター舌炎(舌乳頭が萎縮し、表面が平滑で発赤・疼痛を伴う)。
神経症状(※B12欠乏のみ):亜急性連合性脊髄変性症による深部感覚障害(位置覚・振動覚低下)、しびれ、歩行障害、認知機能低下、病的反射陽性(Babinski反射等)。
血液検査:『MCV > 100 fL(大球性貧血)』。無効造血による間接ビリルビン上昇、LDH著増、ハプトグロビン低下。
末梢血塗抹標本:『過分葉好中球(核が5葉以上に分かれる)』、大型の卵円形赤血球(大赤血球)。
骨髄検査:骨髄過形成、巨赤芽球の出現。
ビタミン測定:血清ビタミンB12低下、または血清葉酸値低下。
ビタミンB12欠乏症:『ビタミンB12(シアノコバラミン等)の筋肉内注射または静注』。※内因子が欠乏している悪性貧血や胃切除後では経口投与しても吸収されないため、注射が必須。
葉酸欠乏症:葉酸の経口投与。
【禁忌事項】:ビタミンB12欠乏患者に対して葉酸単独投与を行うと、造血は改善するが『神経症状が不可逆的に増悪』するため絶対に行ってはならない。
病態
ビタミンB12と葉酸は細胞のDNA合成に不可欠である。これらが不足すると、細胞質は正常に育つ(RNA合成は正常)のに、核の分裂(DNA合成)だけが遅れる「核と細胞質の非同期性発達」が起こり、巨大な赤芽球(巨赤芽球)が作られる。これらはもろいため、骨髄内で壊されてしまう(無効造血:間接ビリルビン上昇、LDH著増)。
試験・臨床での重要ポイント
『B12欠乏』と『葉酸欠乏』の鑑別が超頻出。
最大の違いは『神経症状の有無』である。B12欠乏でのみ、脊髄の後索(深部感覚)と側索(運動神経)が障害される『亜急性連合性脊髄変性症』をきたし、しびれや歩行障害が生じる。
B12欠乏の代表原因は、胃の壁細胞や内因子に対する自己抗体による『悪性貧血』、胃全摘後(貯蔵分が尽きる数年後に発症)、回腸末端の切除(B12の吸収部位であるため)。
葉酸欠乏の原因は、アルコール依存症、妊婦(需要増大)、メトトレキサート(MTX)の使用など。
覚え方・コツ
「巨赤芽球性貧血は『細胞分裂できずにメタボに太った赤血球(大球性)』!胃を取った人や悪性貧血(自己抗体)でビタミンB12が足りないと起こる。B12不足の最大のサインは『手足のジンジン(神経症状:亜急性連合性脊髄変性症)』と『ハンター舌炎(舌がツルツルになる)』!採血すると『MCVが100以上』で、好中球の核が細かく割れる(過分葉)。※注意:B12不足の患者に間違えて葉酸だけを補充すると、貧血は治っても神経症状が急激に悪化して取り返しがつかなくなる国試のド定番トラップがあるぞ!」
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
急性リンパ性白血病は、リンパ球系の造血幹細胞が分化能を失い、未熟な白血病細胞(リンパ芽球)として骨髄中で自律増殖する血液腫瘍。小児がんで最も頻度が高く、小児では化学療法により高い治癒率を誇るが、成人では予後不良な染色体異常を伴うことが多い。