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子宮破裂と羊水塞栓症は、分娩中から分娩直後に突然発症し、母児の生命を脅かす極めて重篤な産科的救急疾患である。CBTや国試では、既往帝王切開などのリスクと激痛・陣痛消失を伴う子宮破裂、および突然の呼吸困難と致死的なDICをきたす羊水塞栓症の鑑別・対応が超頻出である。
【子宮破裂】:分娩中の突然の下腹部激痛、陣痛の突然の消失、胎児徐脈、腟出血、出血性ショック(血圧低下、頻脈)、腹壁から胎児のパーツを直接触知する(先進部の異常上昇)。
【羊水塞栓症】:分娩進行中〜胎盤娩出直後の突然の呼吸困難、チアノーゼ、心肺停止、ショック、重篤な大量出血(血液が全く固まらない:DIC)。
初期評価
分娩中のバイタルサインの急変とCTG異常から直ちに臨床診断を下す。待機的な画像検査を行っている猶予はない。
検査
子宮破裂は臨床所見とCTG(陣痛消失・胎児徐脈)で判断する。羊水塞栓症は、血液検査で重篤なDIC所見(血小板著減、フィブリノゲン著減、FDP/Dダイマー著増)を確認する。血清中の中性エラスターゼやジンクコプロプロテイン-1(ZAG)などが診断の補助となる。
【子宮破裂の対応】
直ちに「緊急帝王切開術」または開腹術を行い、胎児を娩出する。その後、子宮破裂部の修復を試みるが、出血のコントロールが困難な場合は「子宮全摘出術」を行う。並行して急速輸液・輸血によるショックの蘇生を行う。
【羊水塞栓症の対応】
超緊急の全身管理が最優先。気管挿管・人工呼吸による呼吸管理と、大量輸血(特にDICに対する『新鮮凍結血漿:FFP』の大量投与)を行う。胎児が未娩出の場合は、母体蘇生と並行して急速遂行(吸引・鉗子または緊急帝王切開)を行う。
【子宮破裂】
陣痛のストレスにより子宮筋層が断裂する状態。最大の原因は『既往帝王切開』などの子宮手術創(瘢痕部)の破裂である(TOLAC:既往帝切後の経腟分娩トライアル時に多い)。また過強陣痛(陣痛促進薬の不適切使用)やCPDでも起こる。
典型的な症状は『分娩中の突然の激痛』と、直後の『陣痛の消失(モニター上で陣痛の波が消える)』、胎児機能不全(徐脈)、そして内出血による『出血性ショック』である。直ちに緊急帝王切開(および子宮修復・摘出)が必要。
【羊水塞栓症】
分娩中〜直後に、胎児成分を含む羊水が母体の血流に流入し、肺毛細血管の閉塞(塞栓・アナフィラキシー様反応)と極めて重篤な『DIC(播種性血管内凝固症候群)』を引き起こす疾患。原因不明で予測困難。
典型的な症状は、分娩中の『突然の呼吸困難、チアノーゼ、ショック』と、直後に起こる『コントロール不能な大量出血(DICによる凝固不全)』である。死亡率が極めて高く、直ちの気管挿管・人工呼吸管理と抗DIC療法(大量の新鮮凍結血漿:FFPの輸血など)が必要となる。
覚え方・コツ
「分娩中の急変2大疾患!『お腹の激痛+陣痛が消える+帝王切開の傷跡』なら子宮破裂(すぐ切って赤ちゃんを出す)。『突然の息苦しさ+血が止まらない(DIC)』なら羊水塞栓症(とにかく呼吸管理と輸血)!」
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胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。