乳房Paget病は、乳頭・乳輪部の難治性湿疹様病変を特徴とする特殊な乳癌である。乳頭直下の乳管内癌(DCIS)が、乳管を通って表皮内に進展した状態であり、ステロイド外用薬が無効な湿疹として発見されることが多い。
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乳頭・乳輪部の紅斑、びらん、落屑、痂皮(かさぶた)形成
そう痒感、軽度の疼痛
滲出液、血性乳頭分泌
※進行すると乳房内に腫瘤を触知することがあるが、初期は触知しないことが多い。
初期評価
難治性の乳頭・乳輪部湿疹から直ちに疑う。
検査
乳頭部からの『擦過細胞診』または『皮膚生検』でPaget細胞を証明し確定診断とする。背景にある乳癌の広がり(腫瘤や微細石灰化)を評価するため、マンモグラフィ、乳房超音波検査、乳房MRI検査を必ず実施する。
治療方針
原則として外科的切除が必要となる。背景にある乳癌の広がりに応じて、乳頭・乳輪を含めた『乳房部分切除術(+術後放射線照射)』または『乳房全摘術』を行う。腋窩リンパ節転移の評価のため『センチネルリンパ節生検』を併施する。術後はホルモン受容体やHER2の状況に応じた薬物療法(内分泌療法、抗HER2療法など)を行う。
病態
乳頭直下の乳管上皮から発生した癌細胞(Paget細胞)が、基底膜を破ることなく乳管内を上行し、乳頭・乳輪の表皮内に進展・増殖する。
試験・臨床での重要ポイント
「中高年女性」が「乳首(乳頭・乳輪部)がただれて痒い(びらん、湿疹)」と訴え、皮膚科で『ステロイド軟膏を塗っても全く治らない』エピソードが超定番。病理組織検査で、表皮内に明るく豊かな細胞質を持つ『Paget細胞(PAS染色陽性、CEA陽性、HER2陽性が多い)』の胞巣状増殖を認めるのが絶対暗記キーワード。背景に必ず乳癌が隠れているため、マンモグラフィやMRIでの精査が必須である。
覚え方・コツ
「乳房Paget病は『絶対に治らない乳首の湿疹』!実は下(乳管の中)に乳がんが隠れていて、ガン細胞(Paget細胞)が皮膚に這い上がってきている状態。ただの湿疹と思ってステロイドを塗っても効かないから、生検して乳がんの検査をしろ!」
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内鼠径ヘルニアは、腹壁下動脈の「内側」にある脆弱な部分(Hesselbach三角)から、腸管が直接前方に脱出するヘルニア。中高年男性に多く、外鼠径ヘルニアに比べて嵌頓を起こしにくいのが特徴である。
大腿ヘルニアは、腸管が大腿輪を通って、鼠径靭帯の下方(大腿部)に脱出するヘルニア。多産婦の高齢女性に多く、全ヘルニアの中で最も「嵌頓(かんとん)」しやすく、緊急手術となることが多い超重要疾患である。
外鼠径ヘルニアは、腸管が腹壁下動脈の「外側」にある内鼠径輪(深鼠径輪)から鼠径管を通って外鼠径輪(浅鼠径輪)へ脱出するヘルニア。小児のヘルニアはほぼ全例がこれであり、成人でも鼠径ヘルニアの中で最も頻度が高い。
精巣捻転症は、精索が捻転することで精巣への血流が遮断され、虚血から壊死に至る泌尿器科の緊急疾患である。思春期から青年期に好発し、突然の激しい陰嚢痛や悪心・嘔吐を特徴とする。発症後6時間以内の血流再開が必須であり、CBTや医師国家試験の救急・泌尿器分野で「見逃してはいけない疾患」として超頻出である。