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卵巣癌は、卵巣に発生する悪性腫瘍の総称である。初期症状が乏しく、腹水や腹部膨満感で発見された時には進行していることが多い(Silent Killer)。「漿液性癌」が最多であり、手術による徹底的な減量術と化学療法が治療の基本となる。
初期:無症状。
進行期:腹部膨満感(腹水貯留による)、腹痛、腰痛、頻尿、食欲不振、腫瘤触知。
※茎捻転や破裂を起こすと、急性腹症(激しい腹痛)として発症することもある。
内診・直腸診:骨盤内の腫瘤やダグラス窩の硬結を確認。
腫瘍マーカー:『CA125(上皮性、特に漿液性に有用)』、『CA19-9(粘液性)』。胚細胞腫瘍では『AFP』『hCG』が重要。
画像診断:経腟・経腹エコー、MRI(脂肪抑制T1強調、T2強調画像で内容液や充実部を評価)、CT。胸水・腹水の有無を確認。
確定診断:手術で摘出した組織の病理検査による。
手術:『子宮全摘術 + 両側付属器摘出術 + 大網切除術 + リンパ節郭清』が基本。進行例でも『腫瘍減量術』を行い、可能な限り腫瘍を除去する。
化学療法:『TC療法(パクリタキセル + カルボプラチン)』が標準。近年はベバシズマブ(抗VEGF抗体)やPARP阻害薬(オラパリブなど:特にBRCA変異例)が併用される。
胚細胞腫瘍:BEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)が非常に効果的で、若年者では妊孕性温存手術も検討される。
病態
大きく分けて上皮性(約90%)、性索間質性、胚細胞腫瘍の3つに分類される。上皮性の中では『漿液性癌(最多)』、『明細胞癌(日本に多い、子宮内膜症合併)』、『様状癌』、『粘液性癌』が代表的。排卵回数が多い(未産、早い初経・遅い閉経)ほどリスクが高まる。
試験・臨床での重要ポイント
腫瘍マーカー『CA125』が超頻出。ただし、CA125は子宮内膜症や月経、腹膜炎でも上昇するため特異度は低い。
画像(MRI、CT)で「充実成分を持つ嚢胞性腫瘤」を認めるのが特徴。卵巣癌は腹腔内にパラパラと広がる『播種(はしゅ)』が主な転移形式であるため、進行期でも可能な限り腫瘍を削り取る『腫瘍減量術(debulking surgery)』を行い、残存腫瘍を1cm以下にすることが予後を改善するポイントとなる。
覚え方・コツ
「卵巣癌は『沈黙の殺人者(サイレントキラー)』!お腹が張るなと思って受診した時には、もうお腹の中に癌が飛び散っている(腹膜播種)ことが多い。マーカーは『CA125』。治療の鉄則は『まず手術でできるだけ全部削る!そのあとで抗がん剤(パクリタキセル+カルボプラチン:TC療法)!』。遺伝性(BRCA1/2変異)の場合は乳癌もセットで警戒しろ!」
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更年期障害は、閉経前後の女性において卵巣機能の低下(エストロゲンの急減)により生じる、自律神経失調症状や精神症状を中心とする多彩な症候群である。顔のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)が特徴的である。
月経困難症は、月経に随伴して起こる病的症状(強い下腹部痛など)で、日常生活に支障をきたす状態である。原因となる器質的疾患がない「機能性」と、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となる「器質性」に分類され、いずれもNSAIDsや低用量ピルが第一選択となる。
妊娠糖尿病(GDM)は、妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病には至らない糖代謝異常である。妊娠中のホルモン変化によるインスリン抵抗性の増大が原因であり、母体・胎児双方への合併症を防ぐための厳格な血糖管理が求められる。
子宮頸管無力症は、妊娠中・後期に陣痛(子宮収縮)や出血を伴わずに子宮頸管が熟化・開大し、流産や早産に至る疾患である。自覚症状がないまま進行し、健診の内診や経腟エコーで頸管の短縮や胎胞の脱出が発見されることが特徴。