水腎症は、尿路の通過障害(閉塞)により尿が滞留し、上流の腎盂および腎杯が拡張した状態である。CBTや国試では、両側性と片側性の原因の鑑別、エコーでの診断、および水腎症感染や腎後性腎不全時の緊急ドレナージ(腎瘻・ステント)が超頻出である。
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急性の閉塞(結石など):激しい側腹部痛、背部痛、血尿、悪心・嘔吐。
慢性の閉塞(腫瘍など):無症状のことが多い。腹部腫瘤として触知されることがある。
両側性の閉塞:尿量減少、無尿、全身浮腫、尿毒症症状。
感染の合併:38℃以上の高熱、悪寒戦慄、敗血症性ショック(血圧低下)。
初期評価
背部叩打痛(CVA tenderness)の確認。無尿や高熱がある場合は超緊急疾患として対応する。
検査
第一選択は『腹部超音波(エコー)検査』であり、腎中心部の低(無)エコー領域の拡大(拡張した腎盂・腎杯)を確認する。閉塞部位と原因(結石、腫瘍など)の特定のために『腹部CT検査(結石疑いなら非造影)』を行う。血液検査で腎機能(BUN、Cr、電解質)と炎症反応を評価する。
緊急対応(尿路ドレナージ)
腎後性腎不全(両側閉塞、単腎の閉塞)や、感染性水腎症(敗血症)を伴う場合は、可及的速やかに尿の逃げ道を作る『尿管ステント留置術』または『経皮的腎瘻造設術』を行う。これを行わずに抗菌薬だけを投与しても効果は乏しい。
根本治療
尿路ドレナージにより全身状態が安定した後、原因疾患の治療(尿路結石の砕石術、前立腺肥大症の手術、腫瘍の切除など)を行う。小児のUPJOに対しては腎盂形成術を行う。
病態
腎臓で作られた尿が排出される経路(腎盂、尿管、膀胱、尿道)のどこかに閉塞・狭窄が生じ、内圧の上昇により腎盂・腎杯が拡張し、進行すると腎実質が圧迫され萎縮する。
原因(病変の部位による分類)
【片側性】:尿管結石、尿管癌、先天性腎盂尿管移行部狭窄症(UPJO:小児に多い)、後腹膜腫瘍の圧迫、医原性(骨盤内手術時の尿管結紮)など。
【両側性(下部尿路閉塞)】:前立腺肥大症、前立腺癌、神経因性膀胱、子宮頸癌の広範な浸潤(両側尿管を巻き込む)など。
試験・臨床での重要ポイント
「片側性か両側性か」の鑑別が基本であり、両側性の場合は「腎後性急性腎不全(無尿、高カリウム血症など)」をきたすため緊急性が高い(片側性では対側腎が代償するため尿量は保たれ、Crも上昇しにくい)。また、水腎症に細菌感染が合併した『感染性水腎症(閉塞性腎盂腎炎)』は、エンドトキシンショック(敗血症)やDICを急速に引き起こす致死的病態であり、一刻も早い『尿路ドレナージ(尿管ステントや腎瘻造設)』が必要となることが絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「水腎症は尿の渋滞で腎臓が水ぶくれ!片側だけなら尿管結石、両側なら前立腺肥大かガン(下流の詰まり)。エコーで黒く腫れ上がった腎盂を見つけろ。もし熱が出ていたら(感染性水腎症)敗血症で死ぬから、一秒でも早く管(ステント・腎瘻)を入れて尿を逃がせ!」
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腎性尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の分泌は正常であるにもかかわらず、腎臓(集合管のV2受容体)がADHに反応しないため、水分の再吸収ができず多尿・口渇をきたす疾患である。
急性尿細管壊死(ATN)は、腎臓の尿細管上皮細胞が虚血や毒性物質によって壊死・脱落し、急激な腎機能の低下(急性腎障害:AKI)をきたす疾患。腎性AKIの中で最も頻度が高く、脱水などによる「腎前性AKI」との鑑別が重要である。
腎静脈血栓症は、腎臓から血液を戻す腎静脈内に血栓が形成される病態。ネフローゼ症候群(特に膜性腎症)の代表的な合併症として知られ、突然の側腹部痛や血尿をきたす。
横紋筋融解症は、骨格筋(横紋筋)の急激な破壊・壊死により、筋細胞内の成分(ミオグロビン、CK、カリウムなど)が血液中に大量に流出する病態。急性腎障害(AKI)や致死的な高カリウム血症を引き起こす極めて危険な救急疾患である。