前立腺肥大症(BPH)は、加齢と男性ホルモンの影響で前立腺の移行域(内腺)が肥大し、尿道圧迫による排尿障害をきたす疾患である。CBTや国試では、α1受容体遮断薬などの薬物療法、風邪薬(抗コリン薬)による急性尿閉の誘発、および直腸診での所見が頻出である。
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排尿症状:尿勢低下(勢いが弱い)、遷延性排尿(出始めに時間がかかる)、尿線途絶、腹圧排尿
蓄尿症状:昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感
排尿後症状:残尿感、排尿後尿滴下
合併症:急性尿閉、尿路感染症、膀胱結石、肉眼的血尿、腎後性腎不全(水腎症)
初期評価
国際前立腺症状スコア(IPSS)などによる自覚症状の問診。直腸指診による前立腺の触知(弾性軟、表面平滑、腫大)。
検査
『超音波検査(腹部・経直腸)』で前立腺体積の測定(通常30mL以上で肥大)と残尿量の測定を行う。尿流量測定(ウロフロメトリー)で『最大尿流率(Qmax)の低下』と釣鐘型カーブの平坦化を確認。血液検査で『血清PSA』を測定し、前立腺癌を除外する(BPHでも軽度上昇することがある)。
薬物療法(第一選択)
尿道の平滑筋を弛緩させて尿の通りを良くする『α1受容体遮断薬(タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルなど)』が最も頻用される(※副作用の起立性低血圧に注意)。前立腺自体を縮小させる『5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)』や、平滑筋弛緩・血流改善作用をもつ『PDE5阻害薬(タダラフィル)』も用いられる。
手術療法
薬物療法抵抗性や、尿閉・水腎症を繰り返す絶対的適応例に対して行われる。『経尿道的前立腺切除術(TURP)』や、より出血の少ない『ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)』などが標準的である。
病態
加齢と男性ホルモン(テストステロンから変換されたDHT:ジヒドロテストステロン)の作用により、尿道を取り囲む前立腺の「移行域(内腺)」が良性に過形成・肥大し、尿道抵抗が上昇する。
試験での重要ポイント
前立腺癌との鑑別が超定番。肥大症は『移行域(内腺)』に発生し直腸診で『弾性軟(ゴムまりのよう)、表面平滑、正中溝の消失』を認めるが、癌は『辺縁域(外腺)』に発生し『石様硬、表面不整』となる。
また、抗ヒスタミン薬や抗うつ薬などの『抗コリン作用を持つ薬剤(総合感冒薬など)』を服用すると、膀胱の排尿筋が弛緩してしまい『急性尿閉』を引き起こすため要注意(禁忌)。
治療薬として『5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)』を使用している患者では、血清PSA値が『見かけ上約半分に低下』するため、前立腺癌のスクリーニングにおいて数値を2倍にして評価する必要がある。
覚え方・コツ
「前立腺肥大は『内側(移行域)』が腫れて尿道を締める!おしっこが出にくい(排尿症状)、近い(蓄尿症状)。直腸診では『ゴムまり』のように柔らかい(弾性軟、ガンは石みたいに硬い)。風邪薬(抗コリン)を飲むとおしっこが詰まる(尿閉)から注意。第一選択は尿道を緩めるα1遮断薬!」
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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、慢性的な無排卵、高アンドロゲン血症、卵巣の多嚢胞性変化を特徴とする内分泌疾患である。月経異常(無月経や稀発月経)、不妊症、肥満、多毛を主訴とする。CBTや医師国家試験では、特異的なホルモン値の異常(LH高値・FSH正常)や、挙児希望の有無による治療法の選択が毎年問われる超頻出疾患である。
精巣上体炎は、精巣上体(副睾丸)に細菌が感染して起こる炎症である。若年者では性行為感染症(クラミジアや淋菌)、中高年者では前立腺肥大症などに伴う尿路感染症(大腸菌など)が原因となることが多い。陰嚢の激しい疼痛と腫脹、発熱を来す。CBTや医師国家試験では、泌尿器科の緊急疾患である「精巣捻転症」との鑑別が極めて重要であり、超音波検査での血流評価やプレン(Prehn)徴候が頻出である。
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前立腺癌は、前立腺の辺縁域(外腺)に好発する、男性ホルモン(アンドロゲン)依存性の悪性腫瘍である。高齢男性に多く、PSAスクリーニングによる早期発見が普及している。骨転移(造骨性転移)をきたしやすいことが特徴である。