パンコースト腫瘍は、肺尖部(肺の最上部)に発生する悪性腫瘍(主に非小細胞肺癌)であり、周囲の胸壁、腕神経叢、および交感神経幹(星状神経節)に浸潤して特有の神経症状を引き起こす。
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腕神経叢(C8, T1)浸潤:肩、肩甲骨部、上腕から前腕の尺側(小指側)に放散する激しい疼痛、感覚鈍麻、手内筋の萎縮(鷲手など)。
星状神経節浸潤(ホルネル症候群):患側の縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥凹、顔面の無汗症。
胸壁浸潤:局所の胸痛、肋骨破壊。
反回神経浸潤:嗄声(声がかすれる)。
初期評価
肩や上肢の難治性の痛み(整形外科的治療で改善しない)と、ホルネル症候群の合併から強く疑う。
検査
胸部X線で肺尖部の腫瘤影や胸膜肥厚、第1・2肋骨の骨破壊を確認。胸部〜頸部MRIが、神経・血管・胸壁への腫瘍浸潤範囲の評価に最も優れている。確定診断は、経皮的生検または気管支鏡検査により組織型(扁平上皮癌や腺癌など)を決定する。
治療方針
遠隔転移がなく切除可能と判断された場合、術前に化学放射線療法(CRT)を行って腫瘍を縮小させた後、周囲の胸壁や血管・神経を合併切除する『拡大手術(肺尖部胸壁切除を伴う肺葉切除)』を行うのが標準的である。切除不能例には根治的化学放射線療法を行う。神経浸潤による激痛に対しては、医療用麻薬などの強力な鎮痛薬や神経ブロックが不可欠となる。
病態
肺尖部癌が直接周囲の組織(第1〜3肋骨、腕神経叢の下神経幹[C8, T1]、星状神経節など)に浸潤することで生じる症候群(パンコースト症候群)をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
腕神経叢の浸潤による『肩から腕、手指の尺側(小指側)にかけての激しい痛みとしびれ、筋力低下』と、星状神経節の破壊による『ホルネル症候群(患側の縮瞳、眼瞼下垂、無汗症)』の合併が超定番のエピソード。単なる整形外科的な肩の痛みと誤診されやすいため、胸部X線で肺尖部の非対称な陰影(腫瘤影や胸膜肥厚)を見逃さないことが極めて重要である。
覚え方・コツ
「パンコーストは『肺のテッペン(肺尖部)のガン』!上に広がるから、首の神経(腕神経叢)を食い破って腕から小指にかけて激痛を走らせる。さらに交感神経の元締め(星状神経節)も壊すから、目がトロンとして汗をかかなくなる(ホルネル症候群)!」
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