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たこつぼ心筋症は、精神的・肉体的な強いストレスを契機に発症する、可逆性の一過性左室収縮不全である。心電図や症状は急性心筋梗塞に酷似するが、冠動脈に有意な狭窄はなく、左室造影で「たこつぼ(心尖部が膨隆し基部が過収縮)」様の形態を呈する。
突然の胸痛、胸部圧迫感
呼吸困難(急性心不全、肺水腫を伴うことがある)
動悸、失神
※発症前に明確な精神的ストレス(死別、恐怖)や身体的ストレス(外傷、手術、重症感染症)が存在することが多い。
初期評価
ストレス後の胸痛から、まず急性心筋梗塞を疑って緊急対応(12誘導心電図、心エコー)を行う。
検査
心電図で広範な誘導でのST上昇や陰性T波、QT延長。心筋トロポニンなどのマーカーは軽度上昇に留まることが多い。心エコーまたは左室造影で『心尖部〜中間部の無動(アキネシス)と心基部の過収縮(たこつぼ型壁運動異常)』を確認。緊急冠動脈造影(CAG)で『冠動脈に有意狭窄がない』ことを証明し、AMIを否定して確定診断とする。
治療方針
急性期は心不全に対する支持療法(利尿薬、血管拡張薬など)や、必要に応じて補助循環(IABPなど)を行う。※心基部の過収縮により左室流出路狭窄を伴う場合、カテコラミン(強心薬)の投与は血圧をさらに低下させるため原則禁忌であり、β遮断薬を用いる。原因となる器質的疾患はないため、急性期を乗り切れば数週間〜数ヶ月で心機能は『完全に回復(可逆性)』し、予後は良好である。
病態
強いストレス(肉親の死、大地震、激しい痛みなど)により交感神経が急激に過緊張状態となり、大量のカテコラミンが放出され、心筋(特に心尖部周辺)の微小循環障害や直接的な心筋毒性を引き起こすと考えられている。閉経後の高齢女性に圧倒的に多い。
試験・臨床での重要ポイント
「高齢女性」が「強いストレス(夫との死別など)」の後に「激しい胸痛と呼吸困難」をきたすエピソードが定番。心電図で広範な『ST上昇(または陰性T波)』を認め、一見すると急性心筋梗塞(AMI)にしか見えない。しかし、緊急カテーテル検査を行うと『冠動脈はツルツル(狭窄なし)』であり、左室造影(LVG)で『心尖部が無収縮で風船のように膨らむ(たこつぼ型)』のが最大の鑑別点である。予後は比較的良好で数週間で自然に回復する。
覚え方・コツ
「たこつぼ心筋症は『ブロークン・ハート(失恋)症候群』!おばあちゃんがショックな出来事の直後に心筋梗塞みたいな胸痛を起こす。でも血管は詰まっておらず、心臓の先っぽ(心尖部)が動かなくなって『たこつぼ』の形になる。ストレスが原因だから時間が経てば元の形に戻る!」
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ロイス・ディーツ症候群は、TGF-β受容体などの遺伝子変異による結合組織疾患である。マルファン症候群に似た骨格症状を呈するが、動脈瘤がより広範囲に多発し、若年・より小さな径で破裂しやすいという極めて重篤な血管病変を特徴とする。
Brugada症候群は、器質的な心疾患がないにもかかわらず、心電図V1〜V3誘導における特徴的なcoved型ST上昇を示し、夜間睡眠中に心室細動(Vf)を起こして突然死に至るイオンチャネル病である。植込み型除細動器(ICD)が唯一の確実な治療法である。
急性心筋梗塞は、冠動脈の完全な閉塞により心筋が非可逆的な壊死に陥る致死的な救急疾患である。突然の激しい胸痛が30分以上持続する。CBTや国試では、心電図の経時的変化(ST上昇、異常Q波)、心筋逸脱酵素(トロポニン等)の上昇、および早期の再灌流療法(緊急PCI)が超頻出である。
狭心症は、冠動脈の狭窄や攣縮により心筋への血流が一時的に不足し、虚血に陥る疾患である。胸痛や胸部圧迫感を引き起こすが、心筋壊死には至らない。CBTや医師国家試験では、労作性狭心症(ST低下)と冠攣縮性狭心症(一過性ST上昇)の違いや、ニトログリセリン舌下錠の著効が頻出の重要疾患である。