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菌状息肉症は、皮膚指向性を持つCD4陽性T細胞が皮膚に浸潤・増殖する低悪性度の非ホジキンリンパ腫(皮膚T細胞リンパ腫の代表)である。数年から数十年かけて紅斑期、扁平浸潤期、腫瘍期へと緩徐に進行する。病理組織での「Pautrier(ポートリエ)微小膿瘍」が特徴的。
進行に伴い3期に分けられる。
①紅斑期:境界明瞭な紅斑。湿疹と誤診されやすい。強いそう痒を伴うことが多い。
②扁平浸潤期:紅斑が硬く隆起し、局面(プラーク)を形成する。
③腫瘍期:キノコ状・半球状の腫瘤を形成し、表面が潰瘍化する。この時期になるとリンパ節腫脹や内臓への浸潤をきたし予後不良となる。
初期評価:難治性の湿疹様病変、特に光の当たらない部位(非露光部)の病変から疑う。
皮膚生検:真皮上層〜表皮への異型リンパ球(CD4+ T細胞)の帯状浸潤(epidermotropism)と、『Pautrier微小膿瘍』の形成を証明する。
血液検査:末梢血塗抹標本で『セザリー細胞(脳回状核を持つ異型リンパ球)』の有無を確認し、病期(セザリー症候群への移行)を評価する。
早期(紅斑期・扁平浸潤期):『皮膚指向性療法』が中心。副腎皮質ステロイド外用、紫外線療法(PUVA療法、ナローバンドUVB)、電子線局所照射を行う。
進行期(腫瘍期以降、セザリー症候群):『全身療法』に切り替える。抗CCR4抗体(モガムリズマブ)、抗CD30抗体(ブレンツキシマブベドチン)、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬(ボリノスタット)、多剤併用化学療法などを実施する。
病態
皮膚に親和性を持つヘルパーT細胞(CD4陽性)が腫瘍化し、表皮や真皮上層に浸潤する。病名に「菌状(mycosis)」とついているが、カビ(真菌)の感染症ではなく『悪性リンパ腫』であるのが国試の古典的な引っかけ。
試験・臨床での重要ポイント
初期は湿疹やアトピー性皮膚炎に似た紅斑として始まり、長年ステロイド外用薬などで治療されていることが多い。進行するとキノコ状の腫瘤(菌状)を形成する。
皮膚生検の病理組織所見で、表皮内に腫瘍細胞(異型T細胞)が集簇して形成される『Pautrier(ポートリエ)微小膿瘍』が絶対暗記のキーワード。
末梢血中に、脳回状(シワシワの脳みそのような形)の核を持つ異常T細胞(セザリー細胞)が多数出現し、全身の紅皮症とリンパ節腫脹を伴う白血病化した状態を『セザリー(Sézary)症候群』と呼ぶ。
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クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。