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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
骨・カルシウム症状:腰背部痛(初発症状として最多)、病的骨折、高カルシウム血症に伴う悪心・口渇・意識障害。
腎・血液症状:腎不全(骨髄腫腎)、貧血症状、出血傾向。
易感染性:正常な免疫グロブリンが作れなくなるため、肺炎球菌などの感染症にかかりやすくなる。
過粘稠度症候群:血中M蛋白濃度が高くなりすぎると血流が滞り、頭痛や視力障害をきたす。
血液・尿検査:血清蛋白分画での『Mピーク』、免疫電気泳動での単クローン性免疫グロブリン(IgG, IgAなど)の同定。尿中『Bence Jones蛋白』陽性。高カルシウム血症、腎機能低下、正球性正色素性貧血。
骨髄検査:骨髄中の形質細胞(骨髄腫細胞)が10%以上。
画像診断:全身のX線・CTで『打ち抜き像』や骨粗鬆症、圧迫骨折を確認。
移植適応がある場合(主に65歳以下):ボルテゾミブ(プロテアソーム阻害薬)やレナリドミド(免疫調節薬)、デキサメタゾンなどの導入療法後、『自家造血幹細胞移植』を行う。
移植適応がない場合:上記の新薬(ダラツムマブ等の抗CD38抗体を含む)を組み合わせた多剤併用療法。
骨病変への対症療法:ビスホスホネート製剤やデノスマブにより骨破壊を抑える。
病態
異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が骨髄内で増殖し、正常な造血を妨げる。また、破骨細胞を活性化させるサイトカインを放出するため、全身の骨が溶かされる(溶骨性変化)。
試験・臨床での重要ポイント
臓器障害の絶対的キーワードである『CRAB(クラブ)』が超頻出。
【C】HyperCalcemia(高カルシウム血症:骨が溶けるため。口渇・多尿・意識障害)
【R】Renal failure(腎障害:M蛋白の部品である『Bence Jones蛋白(BJP)』が腎臓の尿細管に詰まって尿細管円柱腎症を起こす)
【A】Anemia(貧血:正常造血の抑制)
【B】Bone lesions(骨病変:X線での『打ち抜き像(punched-out lesion)』、腰背部痛、病的骨折)
血液塗抹標本では、M蛋白により赤血球が連なって見える『連銭形成(rouleaux formation)』を認める。産生されるM蛋白はIgG型が最も多い。
覚え方・コツ
「多発性骨髄腫は『抗体工場が暴走して、骨を溶かし腎臓を壊す病気』!異常な抗体(M蛋白)が血や尿に溢れる。絶対暗記のキーワードは『CRAB』!骨が溶けるから痛いし、Caが血に溢れるし、部品(BJP)が腎臓に詰まる。レントゲンで頭蓋骨に穴がボコボコ空く『打ち抜き像』が画像問題の決定打だ!治療はプロテアソーム阻害薬の『ボルテゾミブ』が主役!」
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成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。
急性リンパ性白血病は、リンパ球系の造血幹細胞が分化能を失い、未熟な白血病細胞(リンパ芽球)として骨髄中で自律増殖する血液腫瘍。小児がんで最も頻度が高く、小児では化学療法により高い治癒率を誇るが、成人では予後不良な染色体異常を伴うことが多い。