肺結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の吸入による空気感染症である。慢性の咳嗽、発熱、寝汗を主徴とし、日本の感染症法では「2類感染症」に指定されている。胸部X線での上肺野の空洞形成が特徴的である。
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全身症状:微熱(特に午後に上昇)、全身倦怠感、食欲不振、寝汗(盗汗)、体重減少。
呼吸器症状:慢性咳嗽、喀痰、血痰(喀血)。
※初期は無症状のこともある。高齢者では症状が乏しく、発見が遅れやすい。
画像診断:胸部X線・CT。上葉肺尖部(S1, S2)や下葉上区(S6)の空洞を伴う浸潤影、散布影。
細菌学的検査:『喀痰塗抹検査(ゾール・ネールゼン染色)』で抗酸菌を確認。『喀痰培養検査(小川培地等)』、核酸増幅検査(PCR)。
免疫学的検査:IGRA(インターフェロンγ遊離試験)、ツベルクリン反応。
標準治療(6ヶ月コース):
最初の2ヶ月(初期強化期):リファンピシン(RFP)+ イソニアジド(INH)+ ピラジナミド(PZA)+ エタンブトール(EB)またはストレプトマイシン(SM)の4剤。
後半の4ヶ月(維持期):RFP + INH の2剤。
副作用:RFP(肝障害、オレンジ尿)、INH(肝障害、末梢神経障害:ビタミンB6で予防)、PZA(高尿酸血症、肝障害)、EB(視神経炎:視力チェック必須)。
保健所への届出(直ちに)と、排菌陽性者は結核病床への強制入院が必要。
病態
飛沫核(5μm以下)による『空気感染』。吸入された菌をマクロファージが貪食するが、菌が抵抗して肉芽腫(結核結節)を形成する。免疫低下時に再燃することが多い。
試験・臨床での重要ポイント
「2週間以上続く咳・微熱」「体重減少」「寝汗」を訴える高齢者や免疫抑制患者がいたら、まず肺結核を疑って『空気予防策(N95マスク、陰圧個室)』をとるのが医療安全の鉄則。画像では『上肺野(S1, S2, S6)』に多発する点状・索状影や『空洞(cavity)』を認める。診断の基本は『喀痰塗抹(ゾール・ネールゼン染色)』であり、ガフキー号数で排菌量を評価する。IGRA(クォンティフェロン等)は過去の感染既往を含めた診断に有用。
覚え方・コツ
「肺結核は『空気感染の王様』!2週間以上の咳を見たら隔離しろ。おじいちゃんの『上肺野の空洞』は結核のサイン。治療は4剤併用(リファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトール)で半年間。勝手に薬をやめると耐性菌ができるから、DOTS(直接対面での服薬確認)で最後まで飲ませろ!」
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MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。